二つの旅立ち
シャブ中で、時々幻覚が出始めた俺は仲間とも遊びもろくに行けなくなった。
東京でやくざ者に成った幼馴染の千治に、シャブと交換で隠せと言われた物が。
チャカに、こんなもんどっから手に入れたんだよM4A1だとぉ~。
どうやってこの物を隠すか、こんなもん持って居たら症状が出た時撃ちまくる・・マジやばいな。
ん~誰かに運ばせるかっだな、あっ、そうだ・・あいつらとあいつは使えるかもな。
独りブツブツ呟きながら茂は小屋の中を歩き回り、計画を練っている。
茂は携帯を取り出し、サバイバルゲーム仲間の一人にかけた。
よう、しばらくぶり。
今度の日曜、集まらないか。
俺もここんとこ体調いいし、たまには遊びたいしさどうかな。
もし又悪く成ったらさ、ちゃんと代役出すし。
んっ、いい、みんなは集まれるのか。
予定立ててあったからぁ、なんだそうか。
じゃさ、いつもの時間だな、終わったら飲み会もしようぜ。
ビールの二ケースくらいおごるからよ、え~、嘘じゃないって。
じゃあなぁ~。
よっしゃ~、まずは一個問題はかたずいたと。
あとはあいつか、物本も偽もんもわかんねぇだろうから丁度いいや。
後は車で先回りして取り上げれば問題ないし、その後隠し場所に持っていけば良しと。
装備は前日渡して置いてと、行かせる時チャカとテッポは行くとき渡してだな。
弾倉は、・・・けったくそわる・・三十発弾倉ばっかりじゃねえか。
へたぁすっと、持たせたらヤバいかなぁ、本物ってよ。
なんかで誤魔化すか、缶ビールとか。
あいつも馬鹿でも無いしな、さて困ったぞっと。
ん~、・・・あっそうだ中が見えない様ガッガチに包んじゃえばいいか。
それに、ついでだからって背負わせてやれば良いさ、何かは言わずにだけどな。
バイト代だって言って、ちっとはずめば嫌とは言わないだろうし。
バラ弾は俺が運ぶんだし、途中禁断起きたら・・・・今更かぁ~。
面倒だが、なんか見はられている感じもするし、手持ちはこれっきゃねぇよなぁ~。
茂は一本の西洋剣、ロングソードを手にしてため息をついた。
「茂は、シャブ中が進行しているのに気が付かないでいる」
竜貴、居るかぁ~。
あっ、茂先輩どもっす。
「体調どうなんですか、この間遊びに来なかったじゃないですか」
ああ、今度の日曜は参加することにしたけどよ。
途中具合が悪く成ったら代役頼みたいんだ、それと途中まで荷を背負って欲しいんだよ。
装備は全部俺の使って好いからよ、一万出すぜ。
竜貴は内心「何時もはケチなのに」変だなとは思った。
それは好いっすけど、飯はどうすんですか。
大丈夫だ、親父が夜勤明けで早くの帰りだからコンビニに寄って貰うからよ。
二食分とプラス何か付けるし、それで良いだろう。
代役は構わないっすけど、身体良いんですかマジで、無理したって良い事無いっしょ。
「竜貴、気を使わせてわりいな、そん時の為の代役っつう事さ」
終わったらバーベキューだってよ、俺が「ビールもな」と笑うと。
竜貴は「ゴクッと喉をならした」大人ばかりと付き合うからだなと茂は思った。
当日の朝に成って、茂は竜貴の携帯に呼び出し。
車は運転できるが、走り回るのはやはり無理だからと代役を頼む。
茂は死んだ祖父の持っていた西洋剣、ロングソードを持ちだしていた。
竜貴は「茂先輩この剣なんすかと聞けば」茂は向こうで最後はチャンパラやるんだよ。
ってか「物本だから見せびらかしな」これも持って行けと無理やり腰に下げさせた。
茂は装備と荷を背負わせて「おれは何時もここからスタートなんだ」と嘘を言い。
トンネルの入り口に竜貴を連れて来た、トンネルはアップダウンが有るけどな。
真っ直ぐだしそれ程危険じぁない、「ライトは使うなよ」と送り出した。
茂は車をトンネルの脇道を走らせる、死への旅路を。
茂は車を走らせている最中、強い幻覚の発作を起こし、道路から転落し沢に落ちて死んだ。
その頃、竜貴はトンネルから異世界へと旅たった、帰れない旅へ。
なんか無理があるよなぁ~。
シャブ中なんて知り合いに居ないし、やくざだっていないし。
想像力限界なんだろうか。