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暗闇のトンネルから異世界へ  作者: 犬のしっぽ
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幕間     直轄部隊にしたけれど   その一

傭兵団の群れを見ている竜貴、ハッキリ言って山賊か盗賊だなと思った。


規律も何も有った物じゃ無い、持っている武器もてんでんばらばら。

傭兵団の総てを自分の直轄部隊にすると宣言した竜貴は、人員総数の確認・武器・装備の種類・馬匹の数・重騎兵の乗る地竜数と、彼らに従う支援要員の総数を把握する様事務方に要請していた。事務方は慌てる事も無く仕事をしてくれたらしく、そろそろ結果が出る時期だとレット総司令から聞いた竜貴は今事務室に向かって居る。竜貴は軍の事務室に入り、ピトン事務総長にたずねた「



「傭兵団達の、人員装備類は掌握出来ましたか」



「リューキ王子様、態々足を運ばせまして申し訳ありません」



「こちらが各傭兵団名称と、幹部の名前に団員の数に武器・装備・馬匹数で。これが全傭兵団の総数と馬匹等の総数です、後は支援人員の総数も書きだして有ります」



「聞いていた人員より数が少ないね」



「若くてすれていない人員は、正規の部隊に改めて廻したそうです」



「あれま、本格的に扱いにくい連中を残してくれたんだ」



「それと、年齢的に体力が付いてこれないと思われる人員は支援に回しました」



「ふ~ん、文句は来なかったかな」



「収入に響きますから多少荒れましたが、チームリュウが行ってフルボッコしたらしいです。俺達たった三人に勝てないで、これからの訓練には付いて行けないと力で納得させた様です」



「あ~、あの三人もたまには気の利いた事をするんだね」



「リューキ王子様の側近中の側近ですからね、その位はするでしょうし出来るでしょう」



「んー、そろそろ下士官に上げるか。立場も確立出来るよう頑張っても居る様だし」



「リューキ王子様の側近が兵隊では少し不味いですよ、責めて下士官の下っ端でないと」



「かもね、じゃあ事務方で昇進の連絡をしてくれるかな。それと公報を出して、内容は直近武官として幹部教育下士官として任命する。階級は伍長、半年後は軍曹に自動昇進。その半年後は幹部訓練曹長に昇進。さらに一年後は、特務曹長を飛ばして准尉に任官とする。こんな所かな、頑張らないと又落とすぞって尻を叩かないとな」



「それは彼らも喜ぶでしょうし、励みにもなるでしょうね」



「任命式はレット総司令に頼もうか、威厳が違うし、それなりにビビリさせないとな」



「嬉しいやら恐ろしいやら怖いやら、ですね」



「ピント事務総長、王子様は止めてくれないかな、名前で願いますよ」



「納得しがたいのですが、様だけは外せません」



「あ~、仕方が無いです、それで願いますね」




ここは早朝のジーク草原、元傭兵団が集まっている。戦闘要員総数一万八千二百三十五人、支援要員七千四百二十一人。馬二万五千百八頭、重騎兵乗用地竜三千二百九頭。



「レット総司令、こいつらを見ていると。なんかこれからさぁ、押し込み強盗にでも行く様な気分だよ」


「リューキ王子、減らしたとは言え、全域の傭兵団がここに集まる等と言う事は初めての事。多少の騒乱状態になるのは仕方がありませんよ、しかし聞きしに勝る悪党面ですな」



「あ~あ、あんな所で剣を抜いて喧嘩して居るよ。あっちでもそっちでも、なんか腹が立ってきたよ」




竜貴は、その五月蠅さに頭に来てしまった。



「目に映る者達に雷撃」



すさまじい雷鳴とともに、ジーク草原に集まった傭兵団員全員は雷撃を受けて気絶した。一瞬で静寂が戻った草原には、遠くから馬の嘶きが聞こえてくるだけだった。



「う~ん、静かなのは良いよね」



澄ました顔で言う竜貴に、事務総長のピトンが「リューキ様仕事になりません」そう苦情を言った。



「あっ、怒られちゃった」



仕方ないねねぇ~と呟き、目に映る総ての者に治療と癒しを、そう言いながら手を振ると。倒れていた傭兵達集団の上に光が注ぎ、傭兵集団がもそもそと起きだしてくる。



「二日酔いが治ったぜ」


「昨日の喧嘩で受けた傷が消えているぞ」


「折れて曲がっていた骨が元の様に成って居るぜ」



あちらこちらから、そんなくだらない事を言い合う声が聞こえてくる。



「リューキ様、その様に魔法を使って大丈夫ですか」



「ピトンさん平気だよ、丁度良く減った位かな」



「リューキ様は凄いです、あちらこちらで喜びの声が聞こえます」



「一寸危惧があるよ、どんなに暴れても死ななきゃ怪我は直してもらえるってね」



「まぁねぇ~、そんな勘違いがこれから地獄に行くんですよね、三人組に聞いてます"鬼・悪魔"って泣いてましたから」



「泣きが入る位に余裕なんだ、まだまだ鍛える余地があるね」



「あれ、三人組に恨まれますかね」





「これからは?」



「ピトンさん、只の兵隊にする為傭兵団は解散させると言ってあるのさ」



「納得しますでしょうか」



「半分以上の人は魔法を使える様だけど、残りは魔法が有っても使えるとは言い難い連中さ。魔法無しで、一度全員の戦闘力を見ないとね」


「どう遣るんですか」


「うん簡単、ここに魔法障壁で囲いを作るのさ。その中に、それぞれのレベルの魔物を入れて戦わせるんだよ。頑張らないと、元隊長や副長が兵隊で。下っ端で使いまわされていた奴が、下士官幹部将校ってう事も有るし。これが終わったら簡単な筆記試験もするんだ、その結果だよ」



「正規の軍人になるにはそれなりに教養の下敷きも必要、戦闘馬鹿は要らないと言う事ですか。しかしそれに従いますかね、特に頭分だった者達がですが」



「それは大丈夫、昨日俺の手下にしたからな、手下を鍛えるのは頭の俺の務めさ」



「頭・・・ですか?、親分と呼ばれるのですか」



「それ、どうしようか。俺の直轄だしな、変な呼び方をされるのは御免だぞ」



「普通に隊長か団長で宜しいのでは?」



「団か隊か、この人数なら団だね。ん~・・団の名前と団の紋章と団旗も作らないと」



「それは彼らに作らせたら如何ですか、そう言うのは得意な連中です。リューキ様のお声がかりとあらば、こぞって参加するでしょうし一つの団結にも繋がるでしょうね」



「んー、それは良いけど余り変なのは嫌だねぇ~」



「幾つか作らせて、リューキ様が決めればよいでしょう。それを元に紋章も作り団旗も作りましょう」




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