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暗闇のトンネルから異世界へ  作者: 犬のしっぽ
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直轄部隊

剣を取りに来て舞を踊る、なんのこっちゃと頭を抱えてしまった竜貴です。


みんなに乗せられ舞を披露した竜貴「剣を取りに来ただけなのになぁ~」と、ぼやく事しきり。レ・トンチ議長は良い物を見せていただいたと大喜び、謎はその内解けるさと以外に呑気。ラビルさんはレット総司令に自慢が出来ると大満足、やっかむだろうなぁ~とニヤニヤしている。




剣を背負い、ナミバさんに挨拶をして表に出ると、議長の護衛隊らしい部隊が整列していた。レさんは一番前に居る大男の方を見て「リューキ様あそこに居る連中が主だった傭兵の頭分です」そう教えてくれた。竜貴は内心「みんな何を食べてあんなに大きく成ったんだ」そんな事を思い凹む。竜貴は小柄で細身だ、一番の劣等感を感じる所だが。竜貴は自分の手指や足の大きさをみて、もうそんなには成長しないかもと思って居る。




「議長、今度はどちらに行くんですか」




ぞんざいな言葉が飛んでくる、ちらりとその人物に目をやると。



もう一人の男が、下卑た物言いで議長に声をかけた。



「へぇ~、ここは昌館ですか、俺達を待たせてお楽しみとは恐れ入るぜ議長さんよ」



周りの男達の馬鹿笑いが響くが、竜貴は苛めがいの有る連中と右唇脇をひく付かせた。



「議長さんよ、こんな小便くせぇ~ガキを相手なんて良い趣味してんじねぇか」



竜貴は男達を指さして「お前ら馬鹿だろ」そう挑発の言葉を投げかけた。



「なんだと小娘、全員に廻されてぇか」



「俺は男だ、親ハエも近づかない様な汚いウジ虫顔で平気で歩きまわるな」



「ガキが殺されてぇかよ」



「目の前の者達に重力五倍」



周りの空気が変わり、男達の足もとの草は何かに押された様に平らに地面へへばりつき。小石は地面に潜り込み始めた、自分の身に得体の知れない重量が覆いかぶさり動きずらくなってきた男達は。そこから抜け出そうとしたが、もう身動きは出来ないまでの重量を感じ始めた。ねぇ議長、この無礼者たちはここに捨ててゆきましょう・・と、言いたいけどナミバさんにゴミを捨てて云ったって叱られるからどうしましょうね。潰して川に捨てましょうか、それとか深い穴を・・良い事思い付いた。思いっきり重量掛けて地中深く埋めましょう、それが簡単だ。うん、汚い虫退治にはこれが一番だ。



「卑怯な、俺たちゃ魔法なんか使えないんだぞ」



「立場の有る人物に、無礼な言葉を無造作に投げかける者などには容赦は無用」



「小僧~、なにもんだよ」



「知りたいか、なら言ってやろうか。ミーキ地域防衛軍作戦部少将リューキ・バンロックだ、何か文句ある。あれま、なんか顔色悪いね医者に診てもらったら、そゆことでさいならね」



レ・トンチは驚いた、竜貴が使った重力魔法等見たことも無かったが問題はそれではない。容赦の無い苛烈な行動だ、軍は要領と規則規律で動くと言い実践する姿。そして女の子達やナミバに対する態度を見れば、普通に優しい少年で、かつお茶目な所も見せている。その場その時その限り・・か、刹那の判断でこうしたら良いと思ったのだろうな。



「うそだぁ~、小僧な癖になんだよそれは」



「うん、もっともな感想だね。でも文句を言う相手が違うよ、任命したのはここの幹部達だからね」



「俺の階級なんて兵長だぞ、二百の傭兵隊の隊長だぞ馬鹿にしているのか」



「馬鹿だからその階級も上過ぎだね、俺の評価だと列外だ」



「なんだとぉ~、俺と勝負しろぉ~」



「だから馬鹿だと言って居るのさ、あんたの今で勝負したって勝てると言うのか」



「勝負はやってみなけりゃ分からねぇって事をしらねぇか」



「あれま、そこまで言う。んなら全員と勝負しようか」



「お前達が勝ったら言いぶんを聞いてやる、負けたら一生おれの手下だぞ、ちなみにあの三人より格下な。徹底的にこき使ってやるから覚悟して来い」



後ろに居た三人組を指さし、そう言った竜貴は魔法を解いて。剣を鞘から抜かずにそのまま全員をボコボコにして行った。先ほどから文句を言って居た奴は、言うほどなかな頑丈な奴だった。



「くそぉ~、卑怯だぞ。身動きが取れるその直後に攻撃なんて卑怯卑劣だぁ~」



「卑怯卑劣とは難しい言葉を知ってるんだね、でもね、今のはお前達の真似をしただけだよ」



「な、なにを」



「何時もこんな手で勝って来たんだろうさ、魔法が使えないって言うのは辛いね、時には卑怯卑劣な真似をして。男を下げる情けなさはよく分かるよ、俺もこんな場面にこんな魔法があったならとか思ったもん。それより言っておく、勝負は俺が受けた瞬間から始まって居るのさ。魔法を使わないで勝つ、お前達のやり方を真似たんだ、理にかなっているだろうが」



「くっそぉ~、それも見透かされていたのかよ、負けた。手下になる」



「手下になるねぇ、言葉が違うくない」


ゴスッ。



「いててっ、分かりました。是非手下にしてください、お願いします」



「うん、引き受けた。んじぁ明日は朝六時にジーク平原な、遊んでやるよ」



「げっ、そんな早くからかよ」



「手下が生意気言ってんじゃねぇーよ、明日から階級は無しの列外扱いだ。あの三人は兵長だから階級の無いお前達に取って雲の上の存在と思え、抗弁や暴力は厳禁、軍隊は階級が総てと思え。第一これからお前達は俺の直轄部隊になるんだからな、天国に行きたくなるほど気持ちよくしごくからな」



通称、王子直轄獄竜軍の始まりだった、別名王子の凶兵と言われるようになった。

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