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暗闇のトンネルから異世界へ  作者: 犬のしっぽ
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少将へ就任させたその訳は・・

嘗て、王妃領としてあったツールガルラ・ポンケト領。

ポンケト領は広大で、当時のツールガルラ王国も広さを確認できなかった事実が有る。

魔獣・魔物の出現が多く、奥地まで調査出来なかったのだ。


王妃様騒動で、ポンケト領をどさくさ紛れに侵略占領したサカギニシトゥ王国は占領はしたが統治は出来なかった。

統治出来なかったこのポンケト領を、新しく出来た町へ統治をすべく貴族を送り込む事を口実に。送り込もうとしている軍の規模を見て、リューキは少し疑問に思った。領の総てを完全占領統治する事への意思が弱すぎる、たったこれだけの兵力で町の統治の為だけに再侵攻等と喧伝するのはおかしいと。町の人口は三万、周辺を集めても七万程度。抵抗するのには充分だが、それはどうなんだろうか。




司令長、サカギニシトゥ王国の国民の人口はどの位でしょうか、全兵力はどの位なのですか。

「確か人口は七千万位で、兵力は五十万位だったはずだ。だが前回の侵攻は十三万を送ってきたが叩き返したぞ、奴らは戦死者三万を出したが拠点に兵を置いて占領を宣言したんだよ」

「リューキ、今もここの住民は拠点の奴らに嫌がらせ三昧さ、ぐるりと周りに糞尿をまいたりな」




司令長、その拠点の動きは分かりますか、人や馬の移動とか物資の出入りなんかですが。

「格別報告は来ていないぞ、ただ各拠点で防御柵を広げているとは言ってきているが」

それですね、深夜の見張りは危険ですがあえてやってもらいましょうか。防御柵が広がって居ると言う事はそれだけ人馬の収容が有ると言う事でしょう、荷も深夜か早朝に運び込んでいる可能性が有りますから。




「それが事実だとしてその後の対処はどうするのだ、ただ黙って見ている訳ではないだろう」





人はどんなに入れても良いですが、荷や馬は奪うか殺して下さい。馬は肉にも成りますし、荷は奪えない状況なら焼いて下さい、腹が減っては戦は出来ませんしね。潜入出来るなら井戸にも細工をして下さい、飲めない様にです、毒では無く長期に人馬共に飲み水として使えない様にね。




川が近場に有るならば、足の速い人員を選んでボウで遠距離攻撃、追い掛けて来る兵馬が居るかも知れませんから途中に伏兵を置いて狩り倒してください。勿体ないですが馬を最初に狙って攻撃です、騎馬兵力を削るのが目的にね。追われたら逃げる、引き返すなら攻撃と言う風に。分隊規模での弓やボウで、逃げる際は罠をお願いします。




分隊には必ず一人は魔術師の同行を義務づけけてください、相手方の魔術師へのけん制です。分隊は三つを攻撃・支援・伏兵と連携させて使う様に、本当は魔術師三人と魔剣士一人のけん制班を付けたいのですが魔術師の絶対数が足りないみたいなので仕方が無いのです。




荷馬車に攻撃する際はまず馬を一番に、荷はその次で、護衛が離れたら人をの順で攻撃をして下さい。大規模な輸送が有るなら情報が来るでしょうし、敵も馬鹿では無いのですから何らかの対抗手段は取るでしょう。その時はその時で作戦を立てればよいでしょう、大まかな作戦図を四つぐらい作って置きます。俺が居無くて間に合わないと思ったなら、動かす時に肉付けして攻撃にすれば良いだけですから。

この攻撃は昼夜を問わず、間断なく実行してもらいますよ、敵を眠らせたり休ませるなんて勿体ないでしょ。




「食い物と飲み水へと休養まで攻撃対象か、敵さんもお前が相手だと悪魔を相手に戦う様な物だな」「成る程な、こちらは小さな損害は受けるが敵さんへは大損害をと言う事だな」




まぁ、場合に寄ったら大規模な攻撃作戦も有りえますから、彼らの拠点が有る地形を地下を含めて調査をする必要が有るでしょうね。




「リューキ、地下を含めてなんて調査をするなんてど言う事だ」




さぁ、どうするんでしょうね、でもはっきりした事が有るでしょうよ。敵はこの町が目的でなく、この領地を完全制圧をして実効支配をもくろんで居る事ですね。敵は俺達にこの街の防衛程度の兵員を動員させて包囲し、この領地の反王国勢力で指揮する事が出来る人物を一か所に集め。そしてせん滅へと計画を立てている、それが分かったのですから良しとしましょう。まぁ、ばれたのが分かった時点で大攻勢があるでしょうけどね。




皆さんにも俺の知らない別の計画が有るようですが、それは俺が知る必要のない作戦計画と言う秘密でしょうね。幾らなんでも目の前に居る小僧は正体不明の奴、総てを明かすほど人は良くないしそう考えるのは当たり前ですから。まぁ、想像は出来ますけどね。




「お前には想像が出来て、それがだいたい分かるなんてな、敵にもわかっているのかなぁ」





司令長、町から子供や妊婦を離すのが早すぎますよ、この程度敵も察知して居るかもね。防諜は万全と思えばそこから穴が開くそうですから。で、友軍はどの位の兵力ですかね。俺は彼らが来ればお役御免ですか、まあそれも仕方が無いでけどね。ただの小僧にそう甘い顔は見せられないと言うか、敵かどうかを確認したかっただけでしょうけど。少将への就任は、俺が怒って暴れ無い様へのけん制の方便ですか、普通子供にこの階級は無いですからね。





「総司令のこのレット、皆を代表して言うが、お前を疑って居たのでは無い。ジュケットから色々と聞いた、お前の持ち物はこの世界の物では無い。ここの司令部の幹部一同と、後方から来る友軍幹部も総てがそう認識した。お前は王妃様の御子で有るとな、だがお前にはその記憶が無い。だからと言って放ってなどおられるはずもないではないか、なんのゆかりも無いお方がなにゆえにそれ程御顔がミーキ王妃様に似ていると」




「改めて紹介をさせていただきます。ミーキ王妃様の元第一宮廷騎士団警護隊長、レット・オール・ラウグスタ毎日をお仕えさせて頂いていたのです。初めてリューキ王子にお会いした時には、このレットの心臓は止まるかと思いました。同時に喜びが込み上げて抱き締めたかったのですが、それは余りにも不審な行動、こらえにこらえたのです」



「ミーキ王妃様元身辺警護隊長ラビル・ヘッセで御座います、レットと同じく驚愕の一言でごさいました」




「リューキ王子、町の大人共は皆も存じているのですよ。貴方様が町を御歩きの時に卒倒した者もおります故」




「どうぞ何事も我らに後命じ下れませ、身命をいとわずお仕えさせて居ただきます」



そう言って二人はそろって深々と礼をした、臣下となりますと言って。




へっ、俺が王子ってなんのこっちゃ、別に何か有るのかなと思ったらそれかい。

「二人とも何を言ってるんですか、話が見えませんですよ~。こんな育ちの悪そうな奴そんな話が有るかよ」


あきれたねぇ~。

この持って行き方はないよなぁ~。

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