表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暗闇のトンネルから異世界へ  作者: 犬のしっぽ
16/45

ツールガルラ王国   王の間

最近、ツールガルラ王国、王都の庶民の間に一つのうわさが流れていた。

表向きサカギニシトゥ領にされてしまった元ミーキ王妃領に、ミーキ王妃そっくりの少年が現れたと。

ただ本人は、記憶があちらこちらと不確かなのだと言われていると。

「陛下、そう言ったうわさが王都サエヤヒ内を、ギルドを中心に駆け巡っています。一度探索し確認を致しましょうか、まぁ顔が似た者は幾人かは確かにいましたからな」


「今度は少年か、歳はどの位との話か」


「歳の頃12~3程との話ですが、これもうわさにございます陛下」


「歳が合わぬ、生まれていれば16だぞ」


「我が妻、ヨローラが昔、私にこう言いましたぞ。ミーキ王妃に初めて謁見した折、その幼げな面ざしに。王にはその様な嗜好が有ったのかと、思わず、おいたわしや王妃様と天を仰いだと申していたのを記憶していますが」



「幼顔のその特徴を引いているとでも、そうメイビルは言いたいのか」


「確かめた訳では有りませぬゆえ、しかとは言えませぬが、馬鹿神ならと」


「あれから16年、随分と昔の様に思えるが我は諦めた訳ではない」


「では、人選を致しますかな、陛下」


「城内にたれぞ居るか」


「スイをと思います」


「我が息子より、王子ビーリューにべったりのあの者をか」


「陛下、ビーリュー王子にも弟君探索の命をだし、世間を見させるのもと思いますが」


「スイが激怒してわしを追いかけまわすのが目に見える様じゃ、気が進まぬぞ」


「護衛など付けなくとも、スイの息子が強引に着いてゆきますでしょうか。用心に影供は付けますが、多くは無理かと」


「あれもスイに鍛えられている、余程の事が無ければ大事は無いだろうがの」


「王子は金銭を使った事が御座いませぬ、野宿ならスイが手ほどきをしていたようですが」


「スイの息子、カッチェは知って居るのか」


「夫、エイバスに育てられましたので」


「不憫な事をと言えば、二人には申し訳ないか。さてその少年が、確たる証拠の剣を持っておればよいがの、どこの世界にもおろか者はおるじゃろう盗まれたり奪われたりしていなければ良いが」


「スイにはわしから話そう、どうせおのれ馬鹿王と双剣を握って飛びこんでこよう」


「また逃げ回るおつもりですかな、陛下」


「当たり前じゃ、我を忘れた女武に立ち向かうほど愚かではないぞ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ