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暗闇のトンネルから異世界へ  作者: 犬のしっぽ
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弟を探せ、王の誘導

素っ裸で、太い綱で縛られた少年が豪華な一室に転がされていた。


その前には、しっかりした骨組みの威厳と威圧感を持った中年にさしかかったであろう男性が一人立っている。


転がされている少年に、男性が声を掛けた。

ビーリュー、又随分暴れたそうだな、いい加減な所で止めておけばこうやって縛られる事もないものをの。

逆にスイから褒められただろう、分別が付いたとな。

そう言う男性に、少年は忌々しそうに吐き出す言葉「この次は俺が裸にひんむいて吊るしてやる」。

ほっ、育ての母を吊るすか、スイが喜ぶか泣くかどちらだろうの、おろかな話じゃ。





まっ、それはまず置いておこうかの。

お前に伝えたいことが有る、男性はそう言って少年の前に座った。

伝えたい事は、お前の弟がこちらの世界に飛ばされて来ている、今居る場所も有る程度分かっている。

問題はそのほうだな、ビーリュー、お前は幼いころ、自分に母が居ない事に随分と悲しんで居たな。




今もそうなのかな、我はそなたが今もそう思って居ても、わろうてやろうとか情けないとも思わぬ。子であれば母を恋い慕うは当たり前、当たり前の事をわろうたり嘆くなど在り様も無い。幼過ぎて知らぬであろうが、そなたの母はの、そなたを手中の玉の様に慈しんでいたぞ。




だが、神の力によってそなたの母は、腹に子がいるのに己が生まれた世界に引き戻された。引き戻したは神の意思、我は神の意思がなへんに在るか、今も理解できぬし理解しようとも思わぬ。我には我の想いが有るからの、妻を失い子をも一人失った、何を持って理解しろと。




そなたの母は、そなたと引き離された事を身を裂かれた様に悲しんだのを我は知っている。神のお告げがあった日は、我とそなたの母はそなたを間にはさみいかほど嘆き悲しんだか。神はそれが今回はただ独り、そなたの弟をなんの理由か理か分からぬがこちらの世界に呼んだ。




神は何故に、二人揃えて又送り下されなかったか、その理由も理もがどこにあるかも分からぬ。ただ我は別れの前、そなたの母に一振りの剣を持たせた、もし生まれた子がこの世界にわたる事があっても。持たせた剣が、その身分を明らかにするだろうとの。その剣を今持っているかは分からぬ、持っている事を祈るのみぞ。




「親父殿、母上とはどこで知り合ったのですか、まさか親父殿が母上の居る世界に渡った等と言わぬでしょうね」。




我がそなたの母とでおうたは神殿よ、我もまだ幼き頃に異世界より渡って来たと言う。幼女にでおうたのが初めてじゃった、愛らしく良く笑う幼女であったが。長くは続きはしなかった、当たり前に母を請わぬ子が居るものか。食べる事をも呑む事をも拒み始め、やがてやせ細って行った。




流石に神も困ったのであろう、やがて今一度幼女を母が元へ戻した、愚かな事よの。態々呼び寄せて又戻す、この世界の神の神力はなんの為にと幼心に思うたものよ。




二度目はその幼女が成人してからの事、美しく成人した彼女に我はひと目で恋をした。我は誠心誠意努めたが、彼女はやはり自らの世界に帰りたいと願って居た。それが一年二年が経つと諦めたのか、我の方をようやく向いてくれるようにはなった。我は結婚を申し込んだ、だが彼女は思いがけない条件を出してきた、我はその条件に飛び上がるほど驚いたな。




彼女が云うに「貴方は私を愛して居るとおっしゃいますが、その誠意は宝石を私に下さる事でしょうか」と、な。「高価な宝石、珍しき宝石などそのうち尽きるでしょうに。その後は何で私に誠意を見せて下さるのでしょうか、結婚をした後はもう知らぬとでも」。そう言われて我ははたと困った、確かに理にかなっているのだからな。ではどうせよと、と訊ねた。




「貴方は私だけを見てい下さっていたと言うのは嘘ですね、本当に見ていて下さったと言うので有るならば。私の身に仕え、私の世話をして下さる為にだけここに居る方達へ。私が何を言い何を語り何を望み何を願って居るか等、至極簡単に理解できる事と思いますが」。




我はその時顔が青く成り血が引いたぞ、なれば我は誠彼女しか見ていなかった。彼女の周りの者どもの事等何も見もしなかったし知る気なかったし気にもしなかったのだからな。だが真実なのだから仕方なくそう言ったのだ、うむ、そう言ったらそなたの母に爆笑されたのだ。我自身の事で、我はあれ程笑われたのは初めてだったからの。涙を流し身をよじって笑う彼女に、我は赤くなったり青くなったりと大変だったな。彼女の傍仕えの侍女や、護衛の騎士共は互いにつねったり拳で小突きあったり笑いをこらえようと必死で有ったわ。




ビーリュー、そなたもその様に笑うか、我とてただの人間ぞ。そなたも近いうちにそうなるかも知れぬのだ、父からの教訓と思え。ええい、未だ笑うか、笑い過ぎじゃぞ。




彼女の出した結婚の条件は、奴隷制度を無くする事、亜人・獣人・リザード等の身分を人間と同じにする事、共に分け隔てなく共に生活出来る様にする事だとな。いかに我が王で有ろうとも、出来ぬ事も有るのが当たり前じゃ。我が王国だけならば、我の勅命を持って表面上は可能かも知れぬが。他国までは出来ぬ、戦になるは明白。




我は考えた、その場で言える言葉も浮かばず。彼女に時が欲しいと願った、考える時間をな。彼女は頷いてくれた、我は考えた、必死でな。どうしても良い案等浮かばず、我は彼女にこう言ったのだよ。




この問題は我一人では解決できぬ、そなたの手助けが居る。そなたの身の回りの者たちの手助けも借りねば出来ぬ、総ての者達の手助けが無ければとても叶わぬ。そなたの願いは我の願い、結婚をして手助けをして欲しいとな。




彼女は涙を流し、その言葉をお待ちしていましたうれしゅうございますと、結婚の承諾してくれたのだよ。




だが幸せは余りにも短かった。





我はその時、神のむごさを知ったし理不尽さをも知った。理も知らせず導きもせずただ崇めよなど馬鹿げている。我は思うのだがこの世界の神は、神の世界ではかなり下位の神で愚かではないかとな。そのうちそなたの母が生まれた世界の神が激怒し、我らが愚かなる神に大いなる鉄槌を下すのではないかとな。そうでなければそなたの母も、そなたもそなたの弟も立つ瀬がなかろう。ゆえに我は請い願う、われの世界の神に大いなる鉄槌をとの。




ビーリュー、そなたの母は言うておった「女は弱し、されど母は強し」と、の。どういう意味か、そのうち分かるかもの、母の怒りが神をも殺す・・・ありと我は思うが。




彼女の願いは、今我が王国では叶い始めた、他国へも少しずつだが広がり始めている。人と同じく言葉を話し、又文字を読み書き計算し、よく考えよく働く。どこを虐げる種がある、姿形など死んでしまえば意味等無い物。





さて、ビーリュー、そなたは弟を探しに行くかそのまま知らぬ顔をして過ごすかただ一つの選択を与える。次期国王の資格を持つそなた、魔物や魔獣に襲われて喰われる危険も有るが、王家を継ぐ血筋は他にもある。我は是が非でもそなたを王にしたい等とは思わぬし、そなたも必ず成れる等と思うてはおらぬまい。ちと外の世界を見て歩くのも良いだろうし、城にこもって他の血筋の者達と血を流し争うもよし。どちらを選ぶかはそなた次第。行くはただ独りぞ、そなたの弟は独りこちらの世界に何も知らずに来たのだから。




ああもう一つ「そなたの名前のビは母の名の一つを貰い付けた、ビは美しいと言う意味だそうだ。リューはあのリューだ」指さす先には大きな黄金で刺しゅうをされた旗があった、二つを続けて読めば、美しい竜と言うそうだぞ。弟にも母の名の一文字「キと言う文字で貴いと言う意味の文字を入れたそうだぞ」それ以外は分からぬ、その事だけを馬鹿神が告げきたので知ったのだからな。

書いてみたのはよいけど、訳が分からなくなりましたってか。

マジに日本語が書けません、どうしましょうかねぇ~。

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