記憶にない食材と違和感のない食事風景
言葉は話せるし、文字も読めたし書けた、身の回りにある自然物がなんであるかはなんとなく分かるし。
作られた物もなんとはなくそれも分かる、武器・衣服・持ち物・等の使い方も分かるが。
目の前にある食べ物らしい物に、なんの記憶がない、不思議な感覚だ。
ナミバさんが「今日、市場に行ったら珍しくカウロックの肉を売って居たのよ」そう指さした皿の上。竜貴は複雑な視線を向けると、ジュケットはナミバさんに「それはリューキが倒した奴だな」と、あっさりそう言う。
あらま、そうなの「油分が少ないからあっさりしていて美味しいのよ」そう言って薦める。
野菜らしい物の盛り合わせを「サラダよ」何かの塊を「パンよ」竜貴の顔ほどに大きい、それからスープ兼煮込みよと出された。それから果物のジュース、だというが見た記憶の無い色の飲み物「不思議な色ですね」竜貴が言うと「あらそんなものよ」と、かわされた。
食べ始めるが、竜貴の前には短い棒で先が細いものと、スープを掬う食事道具が置いてある。
素手でちぎって食べて、棒ではさんで食べて、掬って食べる、一連の動作になんの違和感が無い。
様子を見ていたナミバとジュケット「どうやら身体が覚えているらしい」そう云う風に二人は頷きあった。
竜貴は味には違和感なく、とても美味しく食べられる、美味しい美味しいと食べる竜貴にナミバは目を細めて喜んでいる。
ジュケットが、荷物の中身は元に戻して部屋に運んである。
後は寝るだけだ、部屋は階段を上がって正面だからなと教えてくれた。
竜貴は食事の礼をナミバに言って、先に休ませて貰いますと言って階段を上がった。
部屋に入って見渡すと、広めの部屋でゆったり出来る様だ、ふ~とため息をついてベッドに横になる。
竜貴はマジでここは何処なんだろうと思う、どこから俺は来たのだろう・・・・。
そんな事を考えているうちに、竜貴は眠ってしまった。
下ではナミバ親子が、なんとも不思議な感じの子だねぇ、ん~「怪しいと言うより凄い子?色んな意味でだけど」ジュケットは一連の話をする。
あの荷物を背負ってぶら下げて、それでも平気であんな剣を振りまわして魔物をぶった切る。
まして着ている物を脱いだ姿は、性別間違えそうなほど華奢だしな。
明日ギルドに連れて云ったらさ、ギルドに来る女子達が大騒ぎするだろうな。
あ~、別な意味で騒ぐ野郎も居るかもな、まっ、変な事を仕掛けたら一物ぶった切られそうだけど。
へ~「ギルドにそんな男居るのかい」ナミバが聞く「しらんけど、人間の事だからな」ジュケットがそう答える。
よし、俺ももう寝るよ、明日は仕事だし「おやすみ」と言って自分の部屋へ向かった。
ナミバは心中、なにかが起きるかもね、ワクワクかドキドキかそれとももっとぶっ飛んだ事とか。
そうして夜はふけて行った。
人物を表現する、なんか難しいです。
あっ、書くのも難しいですが。