痛ぇぞ~おっかぁ~ と 食材不明のご飯
ネルさんにゴネてようやく解放された竜貴、ジュケットの家に向かっている。
ねぇ、ジュケットさん「さん禁止」そうジュケットが言う。
あ~・・でも。
「も」禁止・・なぁ、一緒に戦った仲だ、水臭い言いまわしは止めようぜ。
あっ、それからな、俺のお袋に会って驚くなよ。
「なんでですか」と竜貴、ジュケットは「あれは凶暴な魔物だ」。
誰が凶暴な魔物だって「出たぁ~~」ゴンッ、ジュケットは一撃で倒れた。
まったくこのバカ息子が、普通母親を魔物呼ばわりするかい。
そう言っている女性らしいリザードの手には、砕けてしまった物の何かが残っている。
「ああ、これは野菜だから」堅いけどね、カカカッと笑った。
足元の籠には、砕けた物は元はそれらしい、イボイボの沢山ついた長い物が入って居た。
ジュケットは起き上がりながら「痛ぇぞ~おっかぁ~、普通喰いもんで殴るかよ」そう喚く。
竜貴はその光景をどこか懐かしく見ていたが「ジュケット、紹介してくれないの」と、言うとジュケットは慌てて。
お袋、親子喧嘩している場合じゃない「この子はリューキ、年下で旅人だが友達だ」そんな風に竜貴を紹介し。
所々記憶が無いんだ、それにこんな子供を。
「放っておけないからから連れて来た」そうなんだろう、まぁ、お前のそう言う所が好いんだか悪いんだか。
リューキとか言ったね、ジュケットの母親でナミバ、ここらじゃ鍛冶のナミバと呼ばれているよ。
お袋、リューキをしばらく下宿させてやってくれないか、金は持っているから大丈夫だ。
「バシッ」イテテッ、なにすんだよ。
「馬鹿だねお前って言うか」懐浅いよと、ナミバさんはジュケットを平手打ち。
リューキ、お金なんていらないよ、どうせ部屋も空いているしさ。
「あんたはどうやって見てもこいつより」ジュケットを見ながら「食べそうにないしねぇ」。
息子をこいつ呼ばわりは無いだろう、ジュケットはそう抗議するが「一人前に成ったら言わないよ」そういなされていた。
まぁ、母親を魔物呼ばわりするのだからどっちもどっちだろう。
お袋、それよりリューキは疲れているし腹も空いている、さっさと食べさせて休ませたい。
ああ「あらかた準備は出来ている、風呂に入っているうち出来るから」ナミバさんは家に入りながら。ジュケットに、竜貴を風呂場へ案内する様促し奥に入って行った。
家の中を見渡すとかなり大きく広い、ジュケットは「死んだ爺さんが宿屋をしていたんだ」だから部屋だけは数が有るぞ。
所でリューキ、着替えは持っているかと聞くので「出して見てみないと分からない」そう言うと。
まぁ「荷を下ろして見てみな、何か入っているだろうぜ、その量ならな」と、背負って居る物を指さして言う。
竜貴が荷を下ろすと、ジュケットは「なんか軽そうだな」と言って持ってみたが、ゲッ、なんじゃこりゃ。
ンググッ、これを背負って剣を振りまわしていたのかよ、見た目より凄い怪力じゃないか。
呆れたように竜貴を見直し「とにかく何か着替えが入って居ないか見てみろ」無かったら俺のを貸すから。
上に入って居るのは弾倉ばかり、出して下に入って居る物を出すと何やら衣装の様な着る物。
未だ他にも入って居る「ジュケットは衣装を指さし、それは後で見るとして」着替えだよ。
中から全部出してみると、身体を拭く様な柔らかい布物が大小二枚と。
服が上下と下着らしい物が入って居る、竜貴はみんな見た事が有る様な不思議な気分だ。
だが着方は分かる、それと身体を洗うもだろう品物も使い方が分かる、何故だろうと思考に落ちそうなって居ると。
ジュケットは「ほれ、今は考えている場合じゃない風呂だ」腹が減って居るからって風呂場で倒れるなよ、ガハハッと笑ってお風呂場に向かった。
ジュケットは風呂の水の中に石を入れた「これは火の魔石だ」あっという間にお湯に成ると教えてくれる。
風呂から出て着替えて、戻ると。
ナミバさんもジュケットも、目をまん丸にして見ている、ナミバさんはジュケットに。
お前、女の子とは言って無かったよね「俺は男の子とも言って居ないぞ」ジュケットがそう答える。
竜貴は細身の体に白い肌、頭の髪は肩甲骨の下位まで伸びているし、優しい顔立ち。
ジュケットは竜貴に「どっちだ」と、失礼なことを言うし。
マミバさんは「そんな真っ黒な髪はここいらでは見た事が無い、どこの生まれだろうねぇ」と、性別は気に成らないらしい。
竜貴は「風呂場で確認したけど、ちゃんと付いていたから男だ」そう答えると、ジュケットは「自分でも疑って居たのかよ」そう突っ込みを入れて来た。
ジュケットがそんな事を言うから合わせただけだよ、しれっとそんな事を言う竜貴に二人が笑う。
ナミバさんは「とにかく食事だよ、口に合うか分からないけど沢山食べて」と、言うが、そこには見た事の無い様な物が並んでいる。
食材はなんでしょう。