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運命の恋の隣で  作者:
4/4

3話

講堂に静寂が落ちる。


高い天井から差し込む光の中、

一人の青年が壇上の中央に立つ。


金髪。蒼い瞳。

隙のない、完璧な所作。


「ヴァルディア王国王太子、アルベルト殿下よりご挨拶をいただきます。」


幽閉から解放された日。

開かれた扉、差し伸べられた手。


そして――


『もう、大丈夫ですよ。』


あの優しい声が、忘れられない。


(アルベルト殿下。)


心臓が、わずかに跳ねた。


壇上で語られる言葉は穏やかで、希望と未来について話している。


けれど。


ほんの一瞬。

白い手袋の指が、胸元を押さえた。


その動きはあまりに小さい。

だが、なぜか目が離せなかった。


(今のは……?)


この人に、救われた。

この人に、恋をした。


春の陽気の中、

胸の奥だけが、湖の水のように冷たく揺れた。

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