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『桜川、白妙の梨 〜過ぎゆく季節と、止まらぬ流れ〜』第6話:医学生の苦労話
夢を叶えた先にある、もう一つの現実。医学生という過酷な日々の断片を覗きます。
45歳の節目に開かれた同窓会。私は、外科医として第一線で働く友人・大杉に、医学生となった沙織のことを尋ねた。 「医学部の単位はすべて必修、一つも落とせないんだ」 大杉は、自らの学生時代を振り返るように語り始めた。 「膨大な記憶量に加え、臨床研修と国家試験の並行……。朝8前から夜遅くまでの勤務。命に関わる仕事だからこそ、その道は極めて険しい。途中で辞める者だっているさ」 その言葉から、沙織が今まさに立ち向かっている壁の高さ、重みを知る。 人様の生死に関わる仕事、その過酷さと、それを乗り越えようとする彼女の決意。 大杉の苦労話に敬意を抱くと同時に、私は彼女の学びを、今はただ静かに見守るのが最善だと深く感じていた。
大杉が語る医学部の厳しさ。それを知るからこそ、俊夫は静かに見守ることを選びました。ここから彼女は、本物の「命の現場」へと足を踏み入れます。




