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勇者戦争  作者: sizu.
第三章 南の勇者編
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東南合併国ライン跡地-⑧

「四象景律(ししょうけいりつ)。節(せつ)、冬凪(ふゆなぎ)。」


俺はエヌと名乗る少女?に一気に距離を詰め、斬ろうとする。エヌは手を振り下ろす。すると突然、右手が重くなる。いや、右手だけじゃなく全身に重みが加わり俺は倒れる。


「どういう仕組みだ……?全く体が動かせねぇ。」


「そうですか、それは良かったです。元勇者を追い詰められるなんて、光栄です!」


今、全身が重く動けないということは俺が重くなってんのか?でも、体重が増えたような感覚ではない……。瀕死の兵士達にはそのような兆候はない…。俺に対して膨大な負荷がかかってる感じか……?


「こちとら連戦で死にそうなんだよ…少しは手加減があってもいいんじゃねぇか?」


俺は笑みをこぼしながら軽口を叩く。


「殺すつもりでやらないと貴方には勝てないと思いまして。あー、でも貴方は口が硬いでしょうしこれ以上生かしても意味なんてないかもですね。」


「俺がそっちに寝返るかもしれないぜぇ…。」


俺は少しずつ立ち上がっていく。


「?!流石ですね。ですが無駄ですよ!」


エヌは再び手を上げ振り下ろそうとするが俺のほうが早かった。


「巡(めぐり)……!!残念だが俺のほうが早かったな……って、マジかよっ…!」


まさかの出来事に俺は笑うしかなかった。。


「危ない所でしたよ。本当に。」


エヌに俺の攻撃は一切通ってなかった。なんなら俺の剣は完全に潰れ、指の一部がなくなっていた。エヌは手を振り下ろし重みが再び加わった。


「最後のチャンスです。イースト内の情勢や戦力について教えていただきたいんですけど。」


「悪いが出来ないな。大切な奴がそこには居たんだ。」 


「そうですか、ではお疲れ様でした。」


徐々にかかる重みが増し、死を覚悟した。



         その時だった。


かかっていた重みが一気に消え、急激に軽くなった。


「大丈夫ですか?シオンさん!!」


「貴方は?!まさか……。」


エヌは面倒な奴が来たとでも言わんばかりの顔をしていた。


    

 イースト護衛騎士団副団長〈旋風〉シン・ジェクト


「お前…!大丈夫なのか…?!」


「心配してくださりありがとうございます。休暇は十分頂きましたのでご安心を。」


「弐ノ要塞は?!ジョウは何処に?!」


「イーストを攻めに来た方のことですか?彼なら吹き飛ばしましたよ。気体だったんで。」


「旋風!!貴方って人はっ!!」


エヌは思いっきり手を振り下ろした。


「シン!逃げっ……」


「反転《インバージョン》。」


「あれ?どういうことだ…?」


エヌの攻撃を受けたはずのシンだったがなぜかあいつは浮いていた。


〈旋風〉シン・ジェクト。絶加、反転(インバージョン)。受けた攻撃内容を反転する。そして、攻撃そのものを返す反転(インバージョン)・アンチ。


この絶加の詳細はシンしか知らない。

故に彼は〈旋風〉なのである。最強の風魔法使い、俗に言う"風の魔導王"である。


シンの魔法がエヌへと降り注ぐ。


「ハリケン。」


物凄い竜巻と共に大量の風の斬撃が飛ぶ。シオンが苦戦を強いられていた戦いは終わりを迎えようとする。


魔素枯渇により魔法が使えない。この状態は戦地に向かう時点で薄々感じていたが余計な考えだった。ナミ・アイビーが魔素を枯渇させた地点からここでは距離が空いていた。その距離を解消するための精霊だったが、シオンVSコクロの戦闘により精霊は消えていた。故にそこには魔素がまだ残っていた。


難南〈壱ノ要塞〉エヌに死期が迫ろうとしていた。



〜精霊具現化に必要なもの〜

・膨大な魔力

・魔素。魔素がないと精霊の具現化が継続できません。

このような特性により精霊は具現化中、常に魔素を吸うので見事に魔法使いキラーとなります。

そして魔法も使えるのですが具現化した時に使った魔力を使い切ると消えます。魔法を使う時はもちろん魔素を使います。

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