東南合併国ライン跡地-⑥
「フイナ様!ご報告に参りました!現在、負傷者六十名うち軽傷者が七名、重傷者五十三名。死者五十六名です……。」
一人の兵士が悔しそうに、悲しそうに報告をする。
「お疲れ様。あなたは一旦休んでください。まだ少し兵がいるようなので私はそれを片付けます。」
「失礼します!」
兵士は頭を下げ簡易テントに向かった。
「自然には申し訳ないですけど、面倒を減らします。」
私は右手を横に広げる。するとナイフが高速回転し、移動することで敵兵士の首をはねる。
「ふぅー上手くいって良かった……。私も休、おお…………………あ゙………………」
ボトン………!!
ゴロゴロ………
「ん?フイナ様何かありましたか……って?!ヒィィ………………」
ゴロゴロゴロゴロゴロ
「ん〜、さっきのが第五支部長なのかぁ……浅いな。ノーノー濃厚。」
そこには、バッシ・カイシの足元にはフイナ・チョウの首が、そこには一人の兵士のバラバラの肉片が
あった。
イースト護衛騎士団第五支部長〈残姫〉フイナ・チョウ 死亡
「待ってな。最強君。超絶濃厚な戦闘を届けに行くからッ……!」
「まだよっ……!!私は戦えるのっ…!!」
オカママは既に瀕死の状態だった。でも攻撃をやめなかった。今のオカママは痛々しく、簡単に攻撃を受け流すことができた。
「もう一人は死んでいるぞ。お前ももう楽になれ。」
俺は無我夢中で攻撃を続けるオカママに言った。
「諦められないッ……!!私はみんなの為に♡……勝たなければ……!!」
「ん?」
倒したはずのカイシに足を掴まれていた。
「カイシ…!泥臭い男はタイプよっ♡……オラァァァ!!」
「四象景律-花。」
「椿。」
俺はオカママを斬った。
「ガハッ。」
「なかなかの実力だったぞ。」
俺はオカママを称賛した。ここまで俺と張り合えるものは居ないからだ。
「あなた、いい男ね♡……最高よ…。」
オカママはそのまま気を失った。ほっとけば死ぬだろう。
「フイナ達のもとに………」
「ユイガさん!!」
俺が結界を解くと聞き覚えのある声がした。
「コウか何故お前がここに?」
「魔素がありません。このままだとヤバイかもです。」
コウは息を切らしながら言った。
「俺もサウスに行こう。魔法が使えない状況はマズイしな。」
「はい。じゃあすぐにでも………」
「コウ!!」
俺はコウの前に行き攻撃を代わりに受ける。極細の糸……来たか、あいつが……。
「仲間を庇うなんて、濃厚な心を持っているのだねぇ。」
「コウは俺の大切な配下だからな。ところでそちらの方面にはフイナがいたはずなんだが……。」
「あぁ、女の子なら殺したよ。首があっちに落ちてると思うよ。」
〈難南〉総隊長であるバッシ・カイシは嘲笑うように言った。
「四象景律……!」
俺はバッシに斬りかかるがそれと同時に全身が切れる。
「君の周辺には糸を張っているかなねぇ。あ、そこの軍師くんも動かないほうがいいと思うよ。」
俺は力付くで近づき唱えた。
「俺から半径三メートル以内は空気が凝固する。」
再び結界を張る。何が起きても壊れない。空気からの断絶。
「ユイガさん…?」
「コウよ。俺はお前らを頼りにしている!皆を任せた。」
コイツの相手は明らかに面倒だ。南の勇者も控えているはずだ。ならここで俺ごと終わらせる。
「俺の体内の空気や血液、全ては膨張し破裂する。」
「ユイガさん!!何を?!」
すまないなコウ。だが安心しろ。ワルパフや、アズマが俺の代わりとなる!
「自爆ってことぉ?適当すぎる……。失望したよ。」
パァン!!
「ユイガさん!!」
ユイガ・ソンの絶加は事象の書き換えなどではなかった。空気などの無機物に命令を下す。彼は持ち前のセンスと努力にて最強まで上り詰めていた。
享年三十歳。最強はここで散る。
「自爆と言いながら道連れに出来ないのは濃厚でも何でもないよね。」
「は?」
ユイガ・ソンの自爆。それはコウにとって一番、想定外であった。そんな事する人ではないと思っていた。そんなユイガ・ソンの最大級の自爆にバッシ・カイシは耐えたのであった。
「君を殺して、オカママを回収したら引こうと思うからさ、大人しく死んでくれよ。濃ッ厚ッにィ……!」
バッシは糸でオカママの傷口を塞いでいるのが分かった。
「は、ははははは!このままじゃ、本当にまずいですね……。戦闘に関してはからっきしなんですよ。本当に。」
「軍師だからといって訓練を怠った気味が悪いね。それは。それじゃ、死んでもらおっか!」
糸が目の前に来た。死を悟った。すいません。ユイガさん……俺、ダメだったみたいですね……。
「グホッ!何この攻撃!!濃ッ厚ッ過ぎない?!」
今の攻撃は…?誰が……。
「コウ様!!大丈夫ですか?!」
「リン、様……。どうして……。」
俺の窮地に駆けつけたのは馬車で移動中のリン様だった。
「アズマ様は仲直りに行きました。」
「そうかぁ、鉢合わせたか。濃厚おじさん!俺、仇打たせてもらいますわ!」
俺はバッシに向かい指を差した。
「それは……濃厚な展開ッ……!!」
イースト護衛騎士団第二支部長〈軍師〉コウ&〈宮廷魔法使い〉スターリン・イーストVS〈難南〉総隊長バッシ・カイシ
風が吹いていた。ナミは精霊を従わせ、俺に剣を向ける。
「会ってしまったね。東の勇者。」
ナミは冷徹な目で俺を見た。
「俺はお前と話をしに来たんだ。一回座って……」
「君は馬鹿なの?ここは戦場だよ?」
ナミは話を聞かずに剣を振るってくる。
「剣で語り合おうってことか。それもありかもな。」
〈東の勇者〉VS〈南の勇者〉




