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第三十九話「蝶と蜂の反撃、霧の王の終焉」

「あんたの魔法の秘密わかったわ!」 


 ティルレがそう高らかに指差しいった。


「なめるなピクシー風情が!」


 ルドシアークが腕を向けた。

 

「いきなさいゴーレム!」


 石鳥が旋回してルドシアークにむかう。


「くっ!」


 ルドシアークはそれをかわす。 石鳥は大きく旋回した。


「そんなもの当たらなければどうということはない! いけコウモリたちよ!」 


「散って舞え!!」


 ティルレが叫ぶと鳥は小さく砕け、雨のように降り注いだ。 


「くっ! これでコウモリをつぶしたのか! ただ、何匹でもコウモリはつくれる! がはっ!!!」


 雨のように降った石は地面に落ちずに旋回してルドシアークに向かっていく。 よくみるとそれは小さな蜂のようだった。


「まさか、あんたが私が試していたことをしてたなんてね! いって蜂たち!」


 無数の石蜂はルドシアークにぶつかっていく。


「くっ...... 下等種族が、私と同じような魔法を使えるだと!!」


 ルドシアークは霧を鎌にして石蜂を落としている。


「光よ...... 羽ばたき、舞え!」


 私が光を放つと、それは無数の蝶となって羽ばたき、ルドシアークを包む。


「なんだと貴様も!? それより、なぜ動ける!!」


「この魔法、あなたの魔力を体内にいれて操作してたのでしょう? それなら体内に自分の魔力を込めて操作を阻止すればいい」


「なっ...... この蝶も......」


「ええ、私もあなたと同じことを考えていた」


(......今はルドシアークの魔力と行動を封じるだけしかできないな。 さきにエジェルガをなんとかしないと......)


 エジェルガの体に魔力を送り込む。


「くそっ! このような下衆なものたちに、私が! くっ! やむを得ない!」


 ルドシアークは懐から水晶をとりだした。


「モンスターどもよ!」


 奥から無数のモンスターが現れる。


(やはり、モンスターを隠していたか...... エジェルガは)


 エジェルガの指先がかすかに動く。


(よし、ルドシアークの魔力を阻害して、エジェルガの体が回復してきたようだ......)


「こやつらを食い殺せ!!」


 モンスターがこちらに迫る。


「......させません」


 エジェルガがそうつぶやくと、モンスターたちはその場にとどまった。


「なぜだ! なぜ動かぬ!」


 少し動けるようになったエジェルガが水晶を手にしている。


「貴様!! 魔力水晶を!! だがその体、少ない魔力でいつまでもつかな!」


(くっ! 動こうにも、ルドシアークをとめるのに魔力を使わないと!)


 ティルレは霧のコウモリを飛びながら迎撃している。


(ティルレも動けないか...... それなら)


「頼むパエルク!」


「あいよ!」


 作戦通り、柱の影に待機していたパエルクは走り、ルドシアークの水晶を尻尾で叩き落とし口にくわえると走り出し柱の影に隠れた。


「なっ!!」


(よし、体が動く)


「脆弱な下等種族が、偉大な王である私に牙を向くとは......」


「もう諦めるべきだ。 ルドシアーク、あなたの敗けだ」


「くくくっ...... なにをいっておる、その体、すぐには完全に回復などできぬ。 あれだけ魔法を使ったのだ。 お前たちは魔力もなくなったであろう。 だがバンパイアの王たる私はちがう!」


 ルドシアークは両手に霧の鎌を作り出した。


「確かにあなたの魔力は凄まじい。 だからこそおわる」


「なにを馬鹿なことをいっている。 もはやブラフなど通じぬ。 まさかこんな蝶で私を止められるとでも!」


「私が作った魔力蝶は、魔力を吸収する。 その量が許容量を超えると、耐えられず、その魔力を放出する」


「なっ...... まさか! 私の魔力で!」


 ルドシアークのその目には、偉大な統治者の輝きはなく、焦りと恐怖がみてとれた。 


 そしてルドシアークにまとわりついていた蝶が一斉に閃光を発する


「やめろぉぉぉ!!」


 ルドシアークの声が部屋に響くと、爆発音にかききえた。



「ルドシアークの支配から解き放っていただき、誠に感謝する」


 そう白い長い髭の老人ーーパルケサスの国王【ジーク】は頭を下げた。


 私たちが倒したことでルドシアークの洗脳が解け、パルケサスの人々は解放されていた。 


「ルドシアークは......」


「拘束しておる。 他のバンパイアたちと共にな」


「そうですか。 それで、宝玉は......」


「うむ、やはり我が国にあった宝玉はなくなっておる......」


 そう目を伏せた。


(なぜだ。 ルドシアークが宝玉を持っていない。 やはり奪われた...... ハウザーたちもいない...... どうなっている)


「パルケサス王。 人間の世界にある宝玉に心当たりはありませんか?」


「デラスク以外となると...... この国には古い文献がある、その事は調べさせよう。 あとはバンパイアの問題だけだが......」


 王は眉をひそめた。


「それは問題ないかと存じます......」


 エジェルガがそういった。


「しかし、バンパイアの王をとらえたのだ。 報復や奪還の可能性もあろう?」


 王はそう問いかけた。


「ルドシアークは他のバンパイアたちを恐怖と力で支配しておりました。 ゆえに反旗を翻すものも多かった。 魔王を従えたかったのも、それを恐れたゆえではないかと思います」 


「ふむ、つまり、かれらは敵対してこないと......」


「おそらく」


 エジェルガのいうとおり、バンパイアはすぐに外交使節を送られてきた。



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