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第三十四話「裏切りの種、二つの魂片」

 ーー遥かむかし、さまざまな種族がともにいきていた。 しかし時を経るにつれ同じ種族同士がつながり、他種族といさかいを始め断絶した。 そして魔王と呼ばれるものがモンスターを操り世界を闇へと向かわせた。 やむなく種族たちは皆で手を取り合い、魔王を倒したーー


「その後、魔王は十一の魂片に分かたれ、各種族がそれを手にした」


 そうカルネアスはいった。


「それが魔王の魂片デモンズフラグメント......」


「ええ、そのベルフォリアは知りませんが、魔王に関わる者なのは間違いないでしょうね。 我々は魔王の復活を恐れ、この地に隠れすんだのです」


「あなたは復活を予見していたのですか?」 


「各種族が自種族のために宝玉を使い始めたときから...... あれは使ってはならぬ力です。 最初彼らにそう説きましたが聞いてはもらえず、我らはこの樹海でひっそりと暮らしたのです」


「それならば、なぜ樹海を広げておるのですか」


 ガガンがいう。


「広げている...... いえ、私たちは広げてはいません。 モンスターを排除するために木々は操りますが......」 


(カルネアスは嘘をついているようには見えない...... どういうことだ?)


「カルネアス! 宝玉は!」


「ええ、それはこの奥に......」


 ドオオオオン!!


 衝撃で地面と木々が揺れる。


「これは...... 奥の祭壇」


 私たちはその場所に向かう。


 そこにはモンスターとアルラウネが何人もいた。


「きたわね......」


 一人のアルラウネのその手には橙色の宝玉がある。


「【リファータ】 あなた......」


「カルネアスさま。 分かっているでしょう。 このままだとアルラウネは滅ぶ。 それもこれも他種族のものたちのせい」


「やめよ! リファータ!  なぜこんなことを!」


 私たちを襲ったアルラウネが木の根をあやつり、リファータに攻撃する。 それを複数のアルラウネが木の根で防いだ。


「【ミフィリム】、我らも他種族のように己が欲のためにふるまえばよいのです。 我らの大地を取り戻すために」


 そういうとモンスターがこちらにむかってきた。


「みんないくぞ!!」


 私たちが戦っている間にリファータは姿を消していた。



「すみません...... 我らの一族が」


 カルネアスは謝る。


「いえ、でもあのリファータはなぜ、宝玉を狙ったのでしょうか。 それに彼女は我らの大地を取り戻すといっていた」


「......ここ近年、砂漠が広がりこの樹海ものまれ始めたのです。 それに農地により栄養を奪われて木々が弱っている...... それをいっているのだ。 リファータはアルラウネの誰より自然を愛していた......」


 そうミフィリムは悲しげにいう。


「そうか...... それで勝手に樹海を広げていたのか。 我らも人が増え、農地も拡大している。 それも原因か......」


 ガガンが申し訳無さそうにいった。


「それも仕方なきこと...... どの種族も自らの種族を尊ぶのは当然。 我々もそれは同じ。 自らに火の粉がとばぬようにここに隠れすんだのですから」


 そうカルネアスは目を閉じた。


「残りはケットシーとオーク、そしてバンパイアの宝玉。 そして人間の三つ。 何とかしないと......」


「オークの宝玉を守るのは我らも協力しましょう」


 カルネアスはそう約束してくれた。


「それは助かる。 すぐに戻ろう」


 アルラウネたちと共にオークの土地へと戻ることにした。



「あれは!?」


 オークの町から煙が上がっている。 すぐさま近づくと、町は廃墟と化していた。


「なんだ...... これは」


 そこに倒れていたものから話を聞く。


「......と、突然、モンスターが現れて......」


「私たちがみます! ガガン、ケイどのと早く長のところへ!」


 私とガガンは長イグラのいる家へとむかった。


 そこには倒れたイグラがいた。 そのそばには巨大な斧を持つオークたちがいる。 その手には赤い宝玉がある。


「【バラシエ】!! 貴様たち、まさか!!」


「ガガンか。 早かったな」


「なんのつもりだ!!」


「知れたこと。 我々はこの力をもっと自由に使いたいのだ。 抑制をもとめられるのはごめん被る」


「ふざけるな!!!」


 怒りにふるえるガガンの振り下ろされた斧を、バラシエは斧でうけとめると火花が散った。


「ぐっ...... それだけの力がありながら、力を使わず、生きてなんの意味がある!」


「力はあくまでも自らの心を高めるため! ただ振るうだけならば蛮勇にすぎん!」


「蛮勇、結構なことではないか。 もともとを我々はかって気ままに暮らしていた。 それを法や掟に縛られるなど、不快でしかない」


「くっ! それで魔王をよみがえらせるというのか!」


「そんなことはどうでもいい。 ベルフォリアは力を思うままに振るわせてやるといった。 だからそれにのったまで!」


 バラシエが水晶を掲げ、地面に斧を振り下ろすと土煙が巻き起こり、モンスターがこちらに向かってきた。


「光よ!!」


 私は光球を放つ。


「縮んで、はじけろ!!」


 光球が一点に集まると閃光をはなち拡散して、モンスターたちを貫く。


 土煙がなくなると、もうそこにはバラシエの姿はなかった。


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