第二十六話「女王の城、崩れゆく国境」
「ここからリストアです」
リオネがそういった。 そこには国境の壁があり、門が閉じられている。
「ティルレ門を越えてみてきてくれないか。 空を飛ぶモンスターもいるかもしれないから慎重に」
「わかったわ」
ティルレが壁を飛んでいく。
「なに、あれ......」
「なんだ?」
「モンスターは門の近くにはいない。 でもそこら中にいるよ。 すごい数」
「やはりモンスターに襲撃されたのでしょうか?」
「わからないが...... 門にいないなら中にはいろう。 ティルレ、ゴーレムを使って中から開けてくれないか」
「わかった。 まってて」
門が少しあいた。
「よし、中にはいって閉じよう」
中へとはいる。 少し地面がぬかるんでいる。 遠くに無数のモンスターがいた。
「ティルレ、飛びながらなにかを見つけたら教えてくれ」
「わかった」
私たちは慎重にモンスターを避けつつすすむ。
「誰もいませんね......」
人がいない町をあるく。 建物内は荒らされていて、めちゃくちゃだった。
「ああ、ただ住居は荒らされてはいるが、人が襲われた形跡がない。 どこかに避難したのかもしれないな」
「我が軍をまちますか?」
「いや、少し調べておこう。 もし誰かの画策なら、軍をおびき寄せる罠かもしれない」
「モンスターを操る...... ハウザーですか?」
「あるいはリザードマンの元宰相ハーザムか。 もしくは他のものの画策かも...... そもそもハウザーがどうやってモンスターを操ったのかもわからないしな」
「ええ、おばばさまによると、魔王がモンスターを操ったと聞きますが......」
「やはり魔王絡みの魔法やアイテムなのか......」
「あっ! 町の外、マングローブの森の近くにリザードマンがいる!」
ティルレが空からそう叫んだ。
「本当か!」
私たちはその場所にむかう。 そこではモンスターとリザードマンが戦っていた。
「二人とも! リザードマンたちに加勢する!」
「わかった!」
「はい!」
三人でリザードマンに加勢してモンスターを倒した。
「助かった...... 感謝する」
モンスターを倒すと三人のリザードマンは座り込んだ。
「一体この国になにがおこっているんですか?」
「我々もわからない。 いきなりモンスターが大群であらわれ暴れまわった。 我々は市民たちをにがすのでやっとだった......」
彼らはリザードマンの戦士団に所属する【ルドア】、【マルタ】、【ゲルト】といった。
「なるほど、今、ザルドラが応援に駆けつけていますから」
「そうか。 たすかる。 市民たちは緊急避難する洞窟にかくまってはいるが...... ただ女王が心配だ」
「そこには、私たちが向かいます」
「すまない。 【アルバスト城】はあそこにみえる城だ。 おそらくフォルシ将軍がいるから大丈夫だと思うが......」
(あのフォルシ将軍か)
かつてまた将軍の姿を思い出した。
私たちは遠くにみえるアルバスト城へと向かった。
「くっ! モンスターが多い!」
「何体倒しても次から次へとでてくる!」
ティルレとリオネはかなり苦戦している。 城へ近づくのに大量のモンスターか行く手をはばむ。 私たちはなんとか城へと近づく。
(この数、強さ。 やはり普通じゃないな...... フォルシ将軍は無事だろうか)
城の前で大勢のモンスターと交戦する。
「数が多すぎる! このままじゃ私たちが死ぬよ!」
「一度退こう!」
「はい!!」
退こうとすると門があいて、リザードマンたちがでてモンスターたちを倒していく。
「ケイどの! こちらに!」
それはザークだった。
私たちは門の中にはいると門は閉じられた。
「ふぅ、無事だったんですねザーク」
「ええ、なんとか。 ですが、どうしてここに」
「リストアとの連絡が途絶えたので、使者をおくったらここの状況がわかったのです。 今我が国の援軍が向かっているはず」
そうリオネがいうと、リザードマンたちから歓声があがった。
「それは助かります」
リザードマンが道を開けると、一際美しいリザードマンの女性があるいてきた。
「私はこのリストアの女王【ハルシェン】です。 あなたがハーザムの陰謀を阻止してくれたケイどのですね。 そちらはルードラの姫リオネどの。 その度はありがとうございました」
「いえ、女王も無事で何よりです。 向こうの避難していた戦士団のルドアたちが心配していました」
「そうですか。 彼らも無事でよかった」
「しかし、この状況は一体......」
「はい、突然、我が国にモンスターが大挙して襲ってきました。 その速さにまず民を待避させることを優先したため、このようなことに......」
確かに城には避難民と思われるリザードマンが大勢いた。
「ですが、もうすぐルードラ王が兵を率いてこちらに来るはず」
「それは助かります。 ただこの城が持つかどうか......」
確かに壁や門にモンスターがぶつかっているのがわかる。
(倒したのに増えている。 この数だとそう長くは持たないかもしれない......)
「しかし、なぜこんなことに」
「中央にあった封印していたダンジョンを開けたのです。 ハーザムとその部下、そして黒い人狼族......」
「......ハウザー」
「この国を滅ぼすためですか?」
「いえ、こちらにきてください」
そう女王は城へと招いた。




