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第二十二話「操られた剣、導かれた言葉」

 私たちは依頼のあった閉鎖されている【ベルヌ鉱山】へとやってきた。 辺りにはトロッコやハンマー杭などが散乱している。


「ここがモンスターがでる鉱山か......」


「ええ、大臣から渡された地図ならここです。 しかし、ここにいるのは【イビルジャイアントカメレオン】という強力なモンスターですね」


 リオネは少し緊張ぎみにいった。


「......ああ、わかっている。 それぐらい強いモンスターを倒さないと、話を通せないからね。 心していこう」


「わかりました」


 私たちは坑道へとはいった。



「くっ、普通のモンスターも強い!」 


 リオネは剣をふるいながらそういう。


 私たちは坑道でかなりの数のモンスターと遭遇した。


「ああ、それに魔力が濃い。 ダンジョンみたいだ......」


「もしかしたらそうかもしれません」


「それはダンジョン化しているということ?」


「ええ、魔力があつまるところはダンジョン化するそうです。 主に戦場や人が多く集まるところはダンジョンになりやすいとか......」


「魔力があつまるところというわけか......」


(確かに魔法を使うには魔力をつかい人の意志が関わるから、おかしくはないが......)


「ケイどの! あれを......」


 遠くに紫色の巨大なカメレオンが壁に張り付いていた。


「あれが、イビルジャイアントカメレオンか。 確か、大勢の被害がでたらしいね」


「ええ、我々が知ってる話でも多くの者が犠牲になっています。 ただそれはおかしな話で、犠牲者は刃物のような切り傷などをおっていたとのこと」


「刃物...... あのモンスターは爪などもない、魔法でも使うんでしょうか?」


「わからない。 とりあえず気をつけよう...... どこにいった!?」


 すこし目を離したすきにカメレオンは姿を消した。


「いない!? そんなあの大きさで!!」


「いや、カメレオンだから壁に擬態してるんだろう。 リオネ、魔法で風を! ぐはっ!」


 私は風で吹き飛ばされた。 


「これは魔法か、リオネなにを......」  


 目の前に光るものがあり、とっさにかわす。 それはリオネの剣だった。 リオネは剣を構えこちらをにらんでいる。 その目には殺気を宿っていた。


「リオネ......」


(なんだ...... これは)


 リオネは剣をふるう。 私は持っていた剣の鞘で受けるしかなかった。 激しい攻撃をなんとかいなしてかわす。


「くっ...... そうか、あのカメレオンのせいか! 操られているのか!」


 左右をみてもその姿はない。


(やつが操っているなら仕留めないと......)


「光よ! 散れ!」


 光球を放ち、拡散させる。 ただ当たった感じはない。


(やはり、でたらめに放っても当たらない...... リオネもとめないと、それなら!)

 

「光よ! 照らせ!!」


 目を閉じ光球を放つとそれはまばゆく輝いた。


「ギャアアッ」


 リオネがとまり、声がした方向にカメレオンがいた。


「光よ! 捻れろ!」


 光球は捻れて加速し、カメレオンを貫いた。



「す、すみません...... 意識がなくなって」


 恐縮するようにリオネがいう。


「かまわないよ。 あのイビルジャイアントカメレオンは相手を操作する魔法を使ったんだろう」 


「それで、戦ったものは同士討ちしてたんですか...... それで切り傷。 よく倒せましたね」


「操るには視認する必要があると考えたんだ。 まぶしい光で目眩ましをしたんだ」


「それで...... でもなぜ操ってるとわかったのですか?」


「まあ、殺される理由は思い当たらないし、リオネの剣技なら私を殺すのは容易い。 だけどその剣は直線的でみきりやすかったからね」  


「だから、操られている...... なるほど」 


 リオネは納得したように首をふる。


「これで依頼は達成した。 早く帰って報告しよう」



「確認した...... 確かに噂通りの優れた冒険者のようだ」


 兵士からの報告で大臣は満足したようにうなづく。


「報酬の件なのだが...... 現在の情勢的に軍事費も必要なおり、あまり高額な謝礼はだせぬが......」


 大臣は少しいいよどむ。


「それならば、王へと謁見をお願いしたい」


「王に...... なぜだ?」


「少しお話ししたいことがありまして、もちろん武器などはお預けします」


「そうか、わかった」


 大臣が王へと話を通し、王の間へと招かれた。


「そなたが冒険者、ケイどのか。 此度のモンスター討伐の件大義であった」


 そう玉座に座る大柄なデラスク王【ハザレイ】がいう。 その自信に満ちた目と話し方から、王としての威厳を感じる。


「それで、私に話があると申してみられよ」


「ええ、実はパルテア大森林にいるピクシーのことです」


「パルテアの...... 確かにあそこにはピクシーがいるというな。 それがどうかしたのか?」 


「彼らはとても強い力を持っております。 侮ってはなりません」


「そなたがいうほどか」


 怪訝そうに王は眉をひそめる。


「はっ、かつて依頼にて森林を訪れたところ、彼らの反撃にあい、なんとか話し合いで解決した次第」 


「それほどか......」


 デラスク王は考え込んでいる。


「しかし、あそこをパルケサスに奪われては我が方に多大な損害がでる......」


「それならばあそこを国と認められればよろしいのです」


「ピクシーの国か」


「ええ、彼らが独立した国で、この国と外交をしていれば、パルケサスが攻めてきたとき、助けを求めることも可能となるでしょう。 ピクシーと協力すれば侵攻も防げます」


「むぅ...... 確かに、あそこを無理に抑えるには被害がおおきいとは思うが、我が国にとって利益があるかが肝要だ」

 

(現実的な判断だな)


「彼らが向こうにつくことも考えられます。 そうなれば、この国に災いとなるやもそれません」


「確かにな。 それならば独立させた方が得策か......」


「そうですな。 彼らがピクシーを攻めれはその横をつけますし、こちらを攻められればその強力なピクシーからの援軍も期待できます」


 大臣と騎士団長もうなづいた。


「うむ、それで、ピクシーと話しはできるのか?」


「はい、私たちならば彼らと連絡を取ることができましょう」


「ならば、ケイどの。 彼らに連絡を取っていただきたい」


 デラスク王からそう頼まれた。

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