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プロローグ


——22世紀、人類はついに神の領域へと足を踏み入れた。

しかし、それが「進化」ではなく「破滅」の道であることを誰も予測できなかった。

科学の進歩は、人類に数多の恩恵をもたらした。

病を克服し、老いを制御し、環境を改変し、さらには遺伝子を自在に操ることさえ可能になった。

しかし、人類が知らぬ間に抱えていた「罪」が、やがてその進歩を嘲笑うかのように牙を剥いた。


Z-細胞(BB)。

それはいつ、どこで生まれたのか——誰も知らない。

ただ確かなのは、それが人間の細胞を侵し、変異を引き起こすものであったということだ。

最初の発症例は、22世紀初頭、南極の調査基地で報告された。

ある科学者が遺伝子組み換え実験中に未知の因子に接触し、数日後に肉体が崩壊して死亡した。

その後、同じ症状が各地で発生し、瞬く間に地球全土に広がった。


感染者のほとんどは、変異に耐えられず死んだ。

しかし、ごく一部の者は「変異」を遂げ、新たな存在へと進化していった。

——記憶を失い、凶暴性を増した彼らは、やがて「影」として恐れられることになる。

その時、人類はようやく悟った。

BBとはただの病原体ではない。

それは、星が人類を選別し、淘汰するためのシステムであるのだと。


「星の癌」

そう呼ばれたBBは、瞬く間に文明を崩壊させた。

都市は次々と飲み込まれ、廃墟と化していく。

生き残った人々は逃げ惑い、辺境へと流れ着くほかなかった。

だが、その逃避もまた、いつまで続くのかはわからない。


「この世界に、希望はもう残されていないのか?」

人々の間に、そんな絶望が広がっていた。


それから千年。

世界はすでに「終末期」に突入していた。

廃墟と化した都市群は荒野に埋もれ、文明の名残は風化しつつあった。

人類はもはや、過去の栄光を語ることすらできない。

ただ、細々と生き延びることだけが、この世界で唯一の「使命」だった。


そんな世界の片隅、辺境の町・ルカで生きる少年、クロノア・クロリス。

彼はまだ知らない。

自らの運命が、人類の未来を変えるほどの「奇跡」となることを——。


「お前は、"抗体"を持つ者……"第3世代(ザ・サードバースデー)"の始祖だ。」


世界は今、崩壊と進化の狭間にある。

少年の選択が、やがて「新たな未来」を切り開くことになるだろう——。

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