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下ごしらえ22【車窓編】琥珀色の鎧

レオナとグラシャが列車に乗る前。

既に事件を解決するために。

MAILの上級騎士であるバレルズはイクラジオで。

任務のために動いていた。

レオナとグラシャが列車に乗る七時間前、早朝の出来事。


MAILの仮面騎士バレルズはイクラジオにいた。


彼が所有する専用の魔導車である大型トレーラーの荷台の中で。


明かりも点けず。


暗闇の中で。


自身のPMAGの通話機能を用いて。


今回の事件に協力している聖騎士団へと連絡を始めた。


PMAGの画面を表示するための光がバレルズの仮面を照らす。


琥珀色、アンバーカラーの馬を模した鉄仮面が。


闇の中に浮かび上がる。


「聖騎士団のみんなは持ち場についた」


『はい、それぞれの駅近くに十人ほど待機させました』


「了解。引き続き私服のままでいてね」


連携している聖騎士団のリーダーからの報告に。


バレルズは返事を送ると。


自身のPMAGの電源を切った。


そして、バレルズは仮面の顎下のスイッチを二回押した。


スイッチを二回は無線でも。


上級騎士からそれより下の階級の騎士への一斉通信。


『それじゃ、みんな行こうか』


『『『はい』』』


念波であるものの。


三十人ほどの騎士達が厳かに号令を発した。


これをきっかけに。


トレーラーの荷台、カーゴ内に照明が点いた。


バレルズと同じ琥珀色をした。


様々な銃火器と。


ドリルやクレーンアームといった重機の。


マニュピレーターの姿が浮かび上がり。


バレルズの鎧の全身像も顕になる。


任務ミッション開始しますか」


仮面と同じ琥珀色の薄いブラウンカラーで。


両手のガントレットの甲には回転する丸ノコ刃が。


両膝の部分には小さなドリル。


先ほどまでPMAGを持っていた右手には弓を携えていた。


重装備でバレルズが一歩進むと。


カーゴの扉が上から下へと自動で開き。


完全に扉が降り切ると。


バレルズを導く鉄のカーペットとなり。


任務地へと彼を降り立たせた。


『目標の製菓工場、外から見た感じはどう』


『外部から全体透視スキャンしましたが人っこ一人いません』


『罠かもしれないけど、行かないといけないよね』


無線で偵察役からの情報を聞いた上で。


バレルズは堂々と工場の正面口へと赴いた。


鉄扉で閉鎖されており。


カメラとMAGの認証端末により防犯もされている。


「すいません、朝早く」


『営業時間外です。従業員であっても通すわけにはいきません』


「だから、すぐにでも来てもらわないとね」


そう言うやバレルズのガントレットの円形刃が高速回転し。


刃の中心である軸が手甲から上昇して。


鉄をも切断する小型のサーキュラーソーと化す。


「ごめんね、後で聖騎士団に弁償してもらってね」


回転する刃が鉄扉に触れると。


耳障りな金属音が周囲に鳴り響いた。


金属が高速でぶつかり合い削ゆき。


火花すら上がる。


十秒も経っていないだろう。


鉄の扉は破られ。


工場に至るまでの道が拓けた。


『総員、配置につけ』


『『『はっ』』』


バレルズの無線からの指示を受け。


MAILの騎士達が彼の後ろに並び立った。


朝焼けで陽の光が。


中級騎士の鎧であるくすんだ黒の鉄の鎧を照らしだす。


彩りはバレルズの鎧に劣っているだろう。


しかし、中級騎士であっても彼らの鎧は。


鈍くも確かに輝いていた。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

暖かくなってきましたが。

私としては油断して体調を崩さないようにしていきたいです。

次回の更新は5/5の17:00になります。

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