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合格祝いに行こう -1-

場面により主人公名の表示が変わります

  地球      :伽里奈

  アシルステラ :アリシア

 一つの大きな事件とそれに影響を与えた自然現象が終わり、平和な日常を取り戻しつつある今だからこそ、冬の北海道に観光客が戻ってきた。


 札幌の雪まつりももう間近。今の北海道は観光にはとてもいい季節。


 小樽でも平行して雪のイベントが開催されるし、スキー場も本番といった感じで、町は賑わいを取り戻している。


 という事で、シャーロットの高校卒業および大学試験合格祝いも含めて、登別にやってきた。


「ここのペンギンはあんな城に住んでいるのか? ペンギン伯爵でもいるのか?」


 まずはペンギンを見に来た。


 今回は違うペンギンを見る為に登別駅近くにある水族館にやってきた。


 空間転移で到着してからアンナマリーが興奮して騒いでいるように、なんだかお城のような建物が目印の大きな水族館だ。


「アンナ、あの中が水族館になってて魚が展示されてるから。展示内容がとっても綺麗だから後で行きましょ」


 まるで水の中に入ったような、トンネルのような巨大水槽もあるようだ。


 でもとりあえず、アンナマリーはペンギンを楽しみにしている。


「じゃあペンギンはどこに住んでいるんだ?」

「お城の横に、プールがあるみたい」

「あと少ししたらパレードの時間だから、中庭で待ってるといいよ」

「パ、パレードか!」


 前回はお散歩だったけれど、今回はパレード。しかしペンギンのパレードとは一体どんなパレードなのか。


 相変わらずペンギンに目が無いアンナマリーは興奮を隠さずに広場でペンギンが来るのを待つことにした。


「何じゃあの小娘は」


 今日のメンバーは伽里奈(アリシア)とアンナマリーとシャーロット。そしてフィーネ。


 エリアスは相変わらずのイベント準備で来る事は出来ない。


 霞沙羅(かさら)(さかき)とイチャイチャ…、などするはずも無く、厄災戦戦没者の慰霊イベントの準備。このイベントだけは、あの戦いの生き残りとして真面目に参加しているので、今日は愛用のシンセサイザーを弾きまくっている。


 ということでフィーネがついてきた。


 小樽から登別という遠い距離も女神様の空間転移でサクッと跳んできた。


 そしていつのまに買ったのか、暖かそうな白いコート姿の上に、生誕祭の時に伽里奈に貰った手作りのマフラーを巻いている。


 あの日に伽里奈(アリシア)達は見ていないけれど、マフラーを貰った事がうれしくて、1人ベッドで悶えていたくらいには愛用していたりする。


「ペンギン伯爵はいないけど、ペンギンの王様が出てくるわよ」

「ぺ、ペンギンの王様か!」


 キングペンギンはすでに動画で見せて貰っているけれど、実際にはどんな大きさなのか解らない。


 王様なのになぜ城に住んでいないのか疑問は残るけれど、とにかく今はパレードが始まるのを待つしか無い。


 パレードのコースに沿って観客達も並んだところで、やっと結構な数のペンギン達がよちよち歩いて広場に姿を現した。


「で、でかい。この前と同じジェンツーとかいうペンギンが子供みたいじゃないか」


 まさに一回り大きなペンギン、キングペンギンがやってきた。


 小樽で見たジェンツーペンギンと一緒に何羽ものキングペンギンも歩いてきて、アンナマリーは大興奮。その目はずっとペンギンを追っている。


 伽里奈(アリシア)は記念にペンギンを写真に収めてあげている。


「なんかもっさりしたのが来たぞ。あれは何ペンギンだ?」


 明らかに雰囲気の違う、ねずみ色単色の地味なペンギンも一羽混ざってやってきた。


「あれはキングの(ひな)よ」

「あれが雛なのか。という事は王子」


 どこか眠そうな目をした雛がのそのそとアンナマリーのすぐ目の前までやってきて止まった。


「うおー、何だこれは。大きくてもふもふじゃないか」


 ここでもお触り禁止なので手は出せないけれど、手が届くほどの距離までやってきた雛ペンギンを、一緒にフレームに納まるように伽里奈(アリシア)は写真を撮ってあげた。


 色が地味でペンギンらしい姿はしていないけれど、これはこれでかわいいから、こんなに近くに来ちゃって周囲の人達も喜んでいる。


 また王女様に見せなければいいと思うけれど、どうだろうか。これから各国は飛行船が使えるようになって外交も増えて、来客も増えて、それでお茶会ともなれば、また話の種になるだろうか。


しかしこのペンギン。雛は一羽しかいないのにここで止まるとはあまりにも都合が良すぎる。


魔天龍(まてんりゅう)様、呼びましたね?」

「何の話じゃ?」

「まあいいですけど」


 あくまでしらばっくれているけれど、女神様が気を利かせてくれたんだろう。


 やがてペンギンパレードが終わると、空調の効いた水族館に入った。綺麗に展示された魚たちを見て、順路を進んでいくと


「また買わされちゃった」


 結構大きなペンギンの雛のぬいぐるみがショップにあったので、抱きしめて離さないアンナマリーのために伽里奈(アリシア)が買ってあげた。


「なぜお主はそんなモノを?」

「なんかかわいいじゃない。日本人はあんなのまで綺麗に展示しちゃって、変なものが好きよね」


 シャーロットはなぜかチンアナゴが気に入ってしまい、水族館では展示されている水槽を長いこと見ていた。それもあってあんまり似ているとは思えないぬいぐるみも気に入って買ってしまった。

読んで頂きありがとうございます。

評価とか感想とかブックマークとかいただけましたら、私はもっと頑張れますので

よろしくお願いします。

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