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鎮魂イベントは準備中 -2-

場面により主人公名の表示が変わります

  地球      :伽里奈

  アシルステラ :アリシア

 大神殿の厨房の方には料理に必要な材料の方は先日の内にメモを渡してあるので、今日はちゃんと用意してくれていた。


 それとは別に印刷してきたレシピのメモを渡して、厨房担当向けに料理についての説明をしてから作り始めた。


 フォーのようなスープカレー。


「これは辛そうですね。ザクスンは辛い料理が多いですからいいですね。香りもとてもいいです。間違いなく美味しいのが解ります」


 まずはカレーのスープ本体を作って、後から辛味を調整するソースも作る。


 プリシラが言ったとおり、ザクスンは辛い料理が多いので、国民も全体的に辛さに強い。


 けれど他国からやって来る巡礼者も食べる事になるので、基本は中辛で作って、後で各自で自由なカスタマイズをして貰う事にしている。


 具材はお肉系と魚介系で二種類提案した。


 スープカレー形式なので、カレーそのものは同じで、最後に乗せる具材だけが違うだけだ。


 それでも、それだけで別の料理に変わる。


 お肉も魚介も両方使えるのは港町が比較的近いギランドルならではといえる。


 基本は巡礼者と神官用なので、札幌のお店で出るようなスープカレーほどの具だくさんな豪華さは無いけれど、お米の麵がスープに入っているので、フォーのような見た目になる。


「赤いスープで、ギャバン教の料理としていい感じです」

「折角ギャバン教の神殿まで巡礼に来て貰いますからね。教団のシンボルとなる旗の色にちなんだ料理とはいいですね」


 主な巡礼者は騎士や冒険者ではあるけれど、貴族であっても希望者があれば提供するそうだ。


「このスパイスの香りもありますけれど、食欲を誘う見た目をしていますね」


 ちゃんとカレー的なスパイシーな香りがしているし、一目見て辛いなということが解る。そして赤い見た目が、視覚から胃に刺激を与えてくる。


「こちらもいいですね」


 お米の麵という事で、ビーフン風にも調理した。こちらも同じように後で辛さを調整するように中辛。


 皆が皆辛いのが好きなわけではないから、初めはやや辛めから。


「食べましょう、早く食べましょう!」


 調理をずっと見ていたプリシラ王女がはしゃいでいる。そんな姿を見ているとアリシアも嬉しい。


 本物の妹はいるけれど、妹のような感じに思えてくる。


 試食をする人数分を用意している裏で、神官達が評価する関係者達を集めてくれて、神殿の来客用の食堂に料理が運び込まれていった。


 霞沙羅の方もアーガスとの用が終わったので、食堂にやってきていた。


「これは家では出ないな」

「スープカレーはシスティーの仕事ですし、お米があるからお米の麵はあんまり使いませんしねー」


 具が違うのでスープカレーは二種類。焼きビーフン風を含めて小ぶりのものを三つ用意した。


 最後に教皇様もやって来て、試食会が始まった。


「アリシアの料理は当時から文句が無かったわ」

「共同で仕事を受けたときの安心感はすごかったな」


 今日はプリシラの護衛役も兼ねているので、当然キールとレミリアも参加してきた。


 冒険者時代に2人がアリシア達6人と一緒になった時は、食事でかなり喜ばれた。


 2人しかいないときは、よくある保存食料を食べるか、それを使った素っ気ないスープをつくるのみだったから、その差は歴然としたモノだった。


「では頂きましょうか」


 教皇様の合図で皆が食べ始めた。


「麵とスープが調和していますね」

「スープがしっかり麵に絡んできます」

「辛さを変えられるのが面白い」

「うひー、この赤いのかけ過ぎちゃったけどこれもいい」


 料理は具材変更を含めてこの3種類として、日々ローテーションしていこうという話になった。


 食べる人が辛さ調整を失敗しないように、スプーンは小さめのモノを用意してと言っておいた。


 それとは別に、今まで出していたスープはこれを参考にしてリニューアルをした後、ローテーションの輪に入れる予定のようだ。


「温泉のデザインはカサラ殿の意見を組み込んで、この後すぐにでも作業に入って下さい」

「間に合います?」


 厨房でプリシラから温泉の今の状況を聞いたけれど、邪魔となる岩盤は砕いており、その結果、温泉の湧出量は悪くない状態になっているようだ。


 浴室となる建物は、魔法学院に依頼して、塔を建てる要領で、まずは無骨な外見ながら建設済み。


 そこで霞沙羅に相談していたのは内装とか設備の件で、記録盤(デバイス)で参考となる温泉施設の画像を持って来ていた事から、イメージは掴んだようで、デザイナーは簡単なスケッチを終えている状況。


 鎮魂の儀に内装は間に合わないと踏んでいるそうなので、とりあえずは来賓がお湯を楽しむことが出来る状態にするようだ。


 仮設の湯船は建物と一緒に作ったので、とりあえずは冷たいままの源泉が貯められた状態だ。今は源泉から流れてくる冷泉を温める設備を急ピッチで作っている。


「そこまでやってるなら大丈夫そうですね」

「ギャバン神からの賜り物ですからね。そのお心に失礼とならないように一日でも早く有効に使用させて頂こうという思いです」


 教皇も先日の霞沙羅の言葉に心を動かされた一人で、実際にあの冷泉を温めて、本人を含めた関係者にはその入り心地を検証させてある。


 変わった色をした温泉ではあるけれど、とても体が温まると評判だった。


 それもあって温泉だと解ってからまだそんなに日は経ていないというのに、まさに急ピッチで設備の工事が進んでいる。


「お二方も鎮魂の儀の時には温泉を楽しんでいって下さい」


 やどりぎ館に温泉はあるけれど、泉質が違うので、教皇様のお言葉に甘えられるよう、期待することにした。

読んで頂きありがとうございます。

評価とか感想とかブックマークとかいただけましたら、私はもっと頑張れますので

よろしくお願いします。

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