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蒼空の舞姫 -2-

場面により主人公名の表示が変わります

  地球      :伽里奈

  アシルステラ :アリシア

「このカードは、箱を使わない時は魔力の充填をするから外しておいてねー」


 この冷凍箱も魔力タンクを兼ねているカードが備わっている。


 ただこれ、渡した相手にしか言っていないのだけれど、盗難対策のセキュリティーでもあって、外しておけば箱本体が盗まれたとしても、魔力の供給源が無いから動かないし、そもそも機能関連の魔術基盤もカード側にあるから、これが無いとただの箱になってしまう。


「じゃあ私が持っている事にするわ」

「アイスはバニラを教えて帰るけど、苺とかオレンジなんかの果物味にしてもいいし、お高くなるけどチョコ味にしてもいいかなー。高くなるならチョコを小さく切ってチップにして、それを混ぜるのでもいいと思うよ」


 箱の説明を終えて、早速アイスクリームの原液を作り始めた。


「これがこの前食べたあれになるのね。楽しみだわ」


 原液を入れた容器を冷凍箱に入れて、カードを挿して冷凍を開始した。


「実際の所、どうやって出せばいいの?」

「単純に、このくらいの大きめのスプーンで取って、小皿とか、もしくはこう、清涼感を演出する、平になったグラスを作ってそこに乗せて出したり」


 その辺は画像を印刷して持ってきた。


「クレープの具材として巻いて出すとかしてもいいし」

「え、あれに入れるの?」

「こういうパフェっていうやり方にするとか」

「これすごいわね」

「まずはしばらく単体で出してからだねー」

 しばらくは物珍しさで観客が来るだろうから、それも落ち着いた頃に、味変で出していけばいいと思う。


 アイスは冷凍待ちなのでこれでしばらく置いとくとして、次のロールケーキ作りを始める。


「もう一個のビーフシチューって、鏡の通信でしか教えてないけど、大丈夫?」

「調理方法自体は具材があるかないかなので、無事に作れていますよ」

「それは良かったー」


 この間の食事会でヒルダが普通の方のビーフシチューの話をしたので、その後に鏡の通信でやり方を教えた事があった。


 追加投入する具材も特に入手が難しいわけでもないし、複雑な加工がいらないから、ちゃんと出来ているのならいいかなと思う。ダメそうなら連絡をしてくればいいだけだし。


「だからどっちのビーフシチューが出るのかっていうのは告知してるのよ」

「ボクの方では、普通の方は王様に伝えたけどねー。ヒーちゃんの所ばっかり優遇するなって、将軍に文句を言われたし」

「アリシアも大変ねぇ。まあこっちも王様や大臣が来たりで色々あったのよ」


 公演で忙しい時に「城でも作れ」と料理人が王都に連れて行かれそうになった。結局説得してこの劇場で食べて貰った。単に食べるのも美味しいけれど、観劇をしながら見るという贅沢な時間を味わって貰うための食事空間だからというのもある。


「まだそんなに教えてないのに」

「その時だけの事よ。でも料理を楽しみに劇を見に来る貴族もいるから、さすがにやめて貰ったわ」


 次来るときは、ロールキャベツと別のパエリアがいいと言われているので、なるべく早めに来ることにしたいと思う。


   * * *


 料理とは別に、ライア戦用の戦場を作らないとダメなので、ロールケーキの生地を焼く前に町の外まで行って、演習場に魔法を仕掛けに行った。


 地面に大きな魔術基盤を描き、必要な触媒を置き、作った模型を真ん中に置いて、術を発動させた。


 そうすると模型が光り始めた魔術基盤に溶けていった。


「すごいな」


どういう魔術なのかを見るためについて来た霞沙羅も、アリシアが本格的な大型魔法を使っているのは初めて見る。しかも日本では使わ必要が無いという理由で教えて貰っていない魔法だ。


「2時間くらいかかりますかねー」

「そんなもんで出来るのか?」

「あまり大きくないですし、簡易版ですからねー。固定化まではしないようにしているので。時間が来ると土に還りますし」


オブジェクトの数もそんなに多くはないから、そう時間はかからない。


「こんなのでダンジョンが出来るとか信じられねえな」

「ダンジョンはもっと時間がかかりますけどねー」


 普通はまず小さく作って、基本部分をコアとして何度も拡張していくわけだけれど、その基本部分の魔術が完了するまでにかかる時間はこんなモノでは無い。


「日本でやると違法建築物になりそうですよねー」

「いやまあそうなんだが。ところでダンジョンは魔族とやらが作る場合もあるのか?」

「ありますよー。レラの空間から仲間を引っ張って来るのに、扉の維持をしないとダメですからねー。それを隠すために、時間をかけて拠点としてのダンジョンを作られる場合があります」

「それで魔物退治のダンジョン攻略になるのか。燃える話じゃないか。お前らはやったことはあるのか?」

「魔女戦争の前に、大きさはそこまでじゃないですけど、魔族が出るっていうからダンジョンを破壊しに行きましたよ」

「羨ましい奴め」


 とにかく術を仕掛けた今は、もう待つしかやることが無いし、お昼ご飯も作らないとダメなので2人は劇場に戻った。

読んで頂きありがとうございます。

評価とか感想とかブックマークとかいただけましたら、私はもっと頑張れますので

よろしくお願いします。

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