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心躍る日々の始まり -3-

場面により主人公名の表示が変わります

  地球      :伽里奈

  アシルステラ :アリシア

 今日は舞台公演のあるライアは来れなくて悪いけれど、榊の入居歓迎会はなんだか大人数になってしまった。


 住民では無い人間がいるけれど、ヒルダ達は隣人みたいなもので、これからの日々の鍛錬にとても役に立ってくれそうな榊を歓迎しているのだし、そういう意味では歓迎会にいてもいい。


 備え付けのテーブルだけでは全員が座りきれないので、談話室セットを撤去して、雪が降る前はテラスに置いてあったテーブルと椅子を持って来て、二つの島に別れる事にした。


 料理は四川風麻婆豆腐に回鍋肉にエビチリに酢豚に油淋鶏に炒飯に海鮮あんかけ焼きそば、水餃子に焼き餃子に焼売に春巻きに小籠包、サラダにタマゴスープにゴマ団子に杏仁豆腐。ついでにストックしていたアイス。


「何かすげえなあ」

「この前7人で集まった時より豪快ね」

「宮廷料理じゃないのよね?」


 元宮廷料理も混ざっているかもしれないけれど、テーブルの上には中華料理がずらりと並んでいる。


 アシルステラ組は、ここの住民であるアンナマリー以外はほぼ未体験の食べ物ばかり。


 使っている香辛料に少々癖ががあるので、いけるかどうか気になるけれど、ラシーン大陸でも互換性のある素材があるので、彼らが食べられるかどうかは中華料理を持っていけるかどうか、これからの方向性を示すことになる。


 いけそうならエリアスに醤油がある国に連れて行って貰ったりして、本格的に動き出せる。


 この後、本を取ってきたルビィと霞沙羅と吉祥院は、隣の家に移動してシールの研究をするのでお酒は無しで、ハルキスとヒルダとイリーナの三人はやどりぎ館に泊まっていくので、お酒有りで歓迎会が始まった。


「お父様、私はまたこんなものを食べてます」


「写真、写真よ」


 住民であるアンナマリーもシャーロットもこんなに色々な料理が一同並んだことが無かったので、興奮している。


 聖誕祭の時よりも料理の種類が多い。


 それを各自好きなように取って食べていい。


「この辛いのの中に入ってる白い塊は何だよ」

「大豆を加工して、その一部を固めたものだよ」


 豆腐である。豆腐も向こうに持って行ければなと思う。


「エビ、この前も作ってくれたエビよ。アンナマリーばかりこんなモノを食べて」


 一口サイズのエビが、辛味のあるソースに包まれている。


「この包んである食べ物がいいわね」

「小籠包は熱いから、そのレンゲっていうスプーンに乗せて、フォークあたりでちょっと穴を開けて、中のスープを一旦出してから、一緒に食べてね」

「麵なのになんか様子が違うゾ」

「素材が違うから」


 未体験の料理達を楽しみながら、榊は色んな人に歓迎されながら、席を移動してと、忙しそうにしている。


「小僧、調べさせたが我の大地にはこれだけの素材があるぞ」

「は、はい」


 フィーネはやけに賑やかになってしまった歓迎会を楽しみつつ、メモを渡してきた。早く次の料理を作りに行くぞと言っているのだ。最近は人間に与える事が楽しいようだ。


「フィーネさんの所には、水瀬カナタは来ていないんですよね?」

「人にはあまり関わらぬようにしておるが、そういう兆候は聞いてはおらぬ」

「それならいいんですけどねー」

「アーちゃんよ、そういえばこの人の所の魔法は習得しているのカ?」


 ルビィが油淋鶏を食べながらやって来た。


「この人はこの館に休みに来てるだけで、あんまり手助けを必要としてないから、基本くらいしか覚えてないねー」


 霞沙羅はフィーネから魔装具や聖法器の整備を頼まれたから、伽里奈(アリシア)よりは習得している。


 けれど最近は賢者フィーネの弟子役を仰せつかっているから、少しずつ覚えている所。


「とりあえず日本の魔術を覚えるんじゃないの?」

「まあ教わってはいるのだが、アーちゃんはどんな感じなのかなト」


 ルビィは近くにあった焼売を口に入れた。


 向かいにいるエリアスの所にはイリーナが張り付いていて、なぜかセネルムントの歴史を聞いている。


 確かにエリアスは今の文明では信仰を集めていなくて、母神であるアーシェルのアシスタントをしているので、ラシーン大陸の歴史を色々見てきているから、ここ数百年のセネルムントの話なら色々と知っている。何か歴史的な資料でも作る気だろうか。


 霞沙羅と榊と吉祥院は、ハルキスとヒルダ相手に、改めて自分達の話を始めていた。ここがどういう世界なのか、どういう戦いをしてきたのか、そういう話。


 アンナマリーとシャーロットはシスティーに対して料理の事を聞いている。今日は色々な料理が出ているので、どういうモノなのか、アシルステラに持って行けるのか、ロンドンで作れるのか、興味津々だ。


「何か変な歓迎会になっちゃったなー」


 アンナマリーとシャーロットの時はそれぞれ、高いお肉とかいい材料を使っての料理を出したけれど、今回は人も増えたので、量でせめてみたら、偶然こんな事になってしまった。


 まあ榊が自分の元仲間達に気に入られて良かった。


 男が苦手なアンナマリーも、榊の剣の腕には素直に興味を持っているし、その辺の心配は無い。


 ただ、榊のこととなると急に乙女になる霞沙羅が、今後どういう動きをするのかが一番心配だ。

読んで頂きありがとうございます。

評価とか感想とかブックマークとかいただけましたら、私はもっと頑張れますので

よろしくお願いします。

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