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いざ神戸校と横浜校へ -4-

場面により主人公名の表示が変わります

  地球      :伽里奈

  アシルステラ :アリシア

 学校見学が終わり、地下鉄を乗り継いで3人で中華街にやって来た。


「神戸の中華街より広いのね」


 一本の通りが、というのではなく、町のとある区画全体が急に雰囲気を変えている。地区の入り口には絢爛な門もあるし、ここは日本か? と思うような町並みが広がっている。


 そして平日だというのに、お昼時という事もあって今日も観光客を中心とした人々がいっぱいいる。


「霞沙羅さんが愚痴ってましたたけど、確かに食べ放題のお店が多いですね」


 お店の前には2,000円から3,000円くらいでどういった料理が食べ放題なのか、という看板が結構並んでいる。


 伽里奈が日本に来た頃にはもうこんな感じなので、そういうものかと気にしていなかったけれど、生まれも育ちも横浜な霞沙羅には町の変化が気になるのだろう。


「時代の流れでござるよ。ただ人も多く集まれば色々食べたいニーズもあるじゃん? 何人かで来れば好き嫌いもあるわけで、これだけのメニューが自由に選べれば喧嘩にもなる事も無いでござろう。それでどうするでありますか?」


 探せばまだまだ残っているコース料理のお店か、食べ放題か、定食メインのリーズナブルなお店か。


「やっぱり、食べ放題で色々食べたいわ。折角来たんだし」

「最初はそれが良いでげしょうな」


 吉祥院の身長には国内外関係なく観光客がギョッとしていくのを横目に見ながら、通り沿いの一軒のお店に入った。


「メニューがすごいわ」


 テーブルに置かれている食べ放題メニューには、シャーロットがよく解らない食材を使った料理がすらっと並んでいる。食べ放題ではあるけれど、それらを全部食べられるほど大食いなわけではないから、悩む。


 とりあえず、中華料理はこれまで伽里奈がやどりぎ館で幾つか作ってくれたりはしているので、まずは、餃子とか焼売、小籠包、麻婆豆腐、炒飯など、馴染みにおある料理を中心に頼んだ。


「伽里奈はホントに色々作るのね」

「中華料理はワタシが色々な店に連れ回したのでありんす。アリシア君は魔術の件で時々こっちに滞在していたでござるから」


 吉祥院もアシルステラの魔術を知るためと、アリシアに地球の魔術を伝える事もあって、やどりぎ館に来た頃には時々吉祥院のマンションとを往復していた時期もあって、その時に中華料理だけでなく、洋食屋もそうだし、鎌倉の和食屋にも連れて行ってもらった。


 勿論、食事や観光などでエリアスも呼んで貰って、心のケアに関しても色々助けて貰った。


「お、そろそろ来そうでござるよ」


 頼んだ料理が色々と運ばれてきたので、一気にテーブルの上が賑やかになってしまった。


「まずは食べるでありますよ」


  * * *


「いっぱい食べたわ」


 あれから色々と追加オーダーしたり、最後にしっかりデザートも頼んで、シャーロットは満足してお店を出た。


「食べ歩きも面白そうね」


 通りには肉まんや焼売、唐揚げに団子などを持って歩いている人もいれば、ビールを飲みながら歩くおばさん達に、焼き小籠包をお店の前で食べていたりといった人がいる。ああいうのも楽しそうだ。


「また今度来るといいでやんす。それではアリシア君、魔術協会に行くでありんす」


 このところ色々あって昇級だと吉祥院に言われていたので、横浜に来るついでに、新しく交付されるカードを受け取りに来た。


「えー、いいわね」

「なのでシャーロット嬢もちょっと付き合ってちょ。今更だけど理事の人達も挨拶をしたいみたいだっぺ」


3人で協会本部へ移動すると、伽里奈の昇級の前に理事達からのシャーロットへの挨拶があった。


「シャーロット嬢も将来的には協会理事を目指す感じでやんすか? あの国のトップは『編纂者会議』でしたな」

「ど、どうかしら。家族からは期待されてるけど。グランパはその一員よ」


 イギリスの魔術協会の魔術師ランクトップ10人で構成される理事会が、吉祥院が口にした「編纂者会議」という。いわゆる賢者の集まり。フラム王国で言えば「天望の座」にあたる。


「シャーロットのおじいちゃんてすごいんだね」

「私は、研究とか教育を目指しているのよ。編纂者会議はその先の話ね」


 挨拶も終わり、伽里奈の新しい階位の授与になったが、今回は「C級の1位」だ。


「アリシア君、おめでとう。これで次はB級でやんすな」


 今回は軍でまさしく今研究されている小型探知機の基礎技術と、先日の封印パーツ奪還と容疑者の情報収集だ。


「いいんですかねえ?」


「探知機はこれからの旧23区を管理するには重要な発想だっちゃよ。霞沙羅も独自にいじっているでありんすが、いずれアリシア君にも意見出しをして貰う事になるでござる」

「そうですか」


 ヒルダからはアンナマリーとか、騎士団の巡回に使いたいとか言われているから、今は探知範囲を狭めて情報を多く収集出来るように改良している所だ。


「シャーロット嬢も、数年後に正規の魔術師として登録された暁には、色々と議論を交わそうじゃありませぬか」


 独自の研究も大事ではあるけれど、優秀な魔術師達とのお付き合い、それが魔術師として上に上がっていく道だ。


「それと、シャーロット嬢もレポートが終わればワタシのマンションか実家に来るといいでござるよ。鎌倉もいい所だっぺ」

「蔵書もいっぱいあるよ」

「それは魅力ね」


 食事もアリシアの昇格手続きも終わったので、また2人は観光に向かった。開港当時の建物や新しくできたロープウェイやビルの展望階に行く予定だ。


「明日は直接高校の受付に行くでござるよ」

「はーい」


 2人はとりあえず山下公園に向かっていった。


そこでスマホに着信があった。


「おう、なんの連絡かねー」


 発信元は新丸子の観測所。今日は例の感知器の運用実験をやっている。


「ヤな感じだねー」


 兎にも角にも吉祥院は電話に出た。


一体何を押しつけられることか。

読んで頂きありがとうございます。

評価とか感想とかブックマークとかいただけましたら、私はもっと頑張れますので

よろしくお願いします。

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