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年末に向けての準備 -2-

場面により主人公名の表示が変わります

  地球      :伽里奈

  アシルステラ :アリシア

 期末テストも近づいているそんなある日、すすきので起きた事件以降しばらく停学処分となっていた、今林セキュリティーの息子3人が学校に復帰する事になったので、本人達がけじめをつけたいと希望を出して、セキュリティー会社社長の父親と校長同席のもとで、伽里奈(アリシア)との直接謝罪の場を持つ事になった。


 何の被害も被っていない伽里奈(アリシア)は全く気にもしていないけれど、3人もこれからも魔術師を目指して学生を続けていく上で、やってしまった事に対して一つのピリオドを打つために、その謝罪を受ける事にした。


 伽里奈(アリシア)が校長室に入るとすでに3人と父親がいて、まずは会釈をされた。


 伽里奈(アリシア)は4人の座るソファーと向き合うように座り、しばしの沈黙を置いて、3人は伽里奈(アリシア)に「あの時はどうかしていた。あの日のことは申し訳なかった」と謝罪された。


「それで、これからはどうなるんです?」

「3人とも明日から復学して貰うことになる」


 とは校長先生からの説明。


 伽里奈(アリシア)に嫉妬した挙げ句、妙なアイテムを手に入れて、そのアイテムに振り回されて暴れてしまった3人。


 それでも魔装具自体は違法なワケでも無く、妙な違法薬物を使ったわけでもない。現実に警察に被害は出ているけれど、それは今林セキュリティーと警察の問題。


 3人は捜査には協力的であり、反省もしているし、謹慎中には何度かカウンセリングも受けている。


 会社は警察に賠償金くらいは払っているだろう。その辺の件は伽里奈には関係ない。


「そうですか、それは良かった」


 魔法術科をやめるとか言いだしたらどうしようかと思ったけれど、続けるのならそれでいい。


「しばらくは通いづらいとは思うが、それは甘んじて受けるしかない。それについてはこれまで以上に真面目にやって汚名を払拭するしか無い」


 父親からの厳しい言葉だけれど、それはもう親子4人の中で話し合っているだろう。


「ボクと顔をあわせる機会がある高校生の2人に話があるんですけど、今は来期以降の教育方針を決める施策が行われているんですよ。この先のこの小樽校の設備は授業に関わるものなので、今の2年生と1年生の為に積極的に利用して、些細な事でも良いので意見を残して欲しいんです」

「施策?」

「予約の取りにくいレーンの代用施設と授業へのゴーレムの使用です。試験対策で体育館も簡易結界を12個作って短時間ながら個人練習が出来るようになってます。それとボクのいる一年E組と同じ時間に屋外演習が被ったら、雪で作ったゴーレムの破壊練習をして貰ってます」

「そうだったな。教師達も来年以降の為に色々と情報を集めて、随時調整をしている。まだ高校生の2人は、同級生だけでなく今後の後輩達のために意見を出して欲しい。それにゴーレムは耐久力の調整が必要だ。それを決めるためにA組の人間として遠慮せずに破壊して欲しい」


校長に言われて、戸惑いながらも2人は頷いた。


「意見の提出先はボクではなくて、専用のポストがあるので遠慮しないで下さいね。名前の記載も必要ないです」

「お、オレはどうすればいい?」


 そういえば大学生が一人いる。


「高校の試験対策を優先してて大学はちょっと遅れてるんですけど、年明けから機材の実験が始まるので、積極的に利用して欲しいです。じきに大学生向けゴーレムの耐久力データー収集も始まりますからね。有志になると思いますが、その試験に参加していただけると」

「そ、そうか」

「大元は小樽校を良くしたいっていう、霞沙…、新城大佐の試みです。横浜校に一矢報いるためにもよろしくお願いします」

「お、おお」


 あの新城大佐が始めた企画なのかと知って、3人は納得した。


  * * *


「ホールストン家の為なら、協力するよと、横浜と神戸の了解は貰ったでげす。アリシア君から連絡が行くよと言ってあるから、日程とか何が見たいかとか、そういうのは直接言ってくだしゃんせ」


さすが吉祥院。留学しているシャーロットの為、という要因もあるけれど、2校の見学を取り付けてくれた。


「神戸校は私も行っていいのか?」

霞沙羅(かさら)が同行するでありんすか?」

「神戸は伽里奈のヤツが転移が出来ないだろ。それと用がある奴がいてな」

「じゃあ学校に連絡をする時に霞沙羅先生も来るって言っておきますね」

「そうだな」

「横浜校はアリシア君でも転移が出来るっぺ?」

「あそこは大丈夫ですよ」


 この一年内にも吉祥院絡みで行っているので、横浜校への転移は問題無い。


「当日の案内はワタシがやるでやんす。シャーロット嬢がいるでありんすからな」

「日帰りなのよね?」

「二日連続で日帰りだよー」


 予定としては午前中で終わらせるつもりだ。


「写真とかも撮っていいのよね?」

「ダメな場所は注意してくれるでありんす。でも高校には無いとは思うだっちゃ」


 折角皆が協力してくれるんだから、ちゃんとやらないとね、とシャーロットは改めて思う。


じゃあ何を見ようか、学校のHPでも見て決めておこう。


「ホントにありがとう」

「折角この館に来たんだから、良い結果出して国に帰れよ」

「ボクも向こうの世界に持って行ける物は持っていきたいから、色々見ていこうねー」


シャーロットは魔術師としての才能もあって、好奇心も探究心もある。料理を覚えて帰るというテーマも出来てしまったので、イギリスに帰るまでは出来る事をやってあげたい。


「ワタシらも一応教育に関わってるから、学生の意見をフィードバックしたいじゃん? 出来たら、見てきた意見を貰いたいものでごわす」

「うん、そのくらいなら」

「あとは、ちょっとくらい観光して来いよ。横浜も神戸も観光地だしな」

「どっちも異国情緒と中華街があるでやんすな」

「中華か? 私は肉が食いたいぜ。神戸は肉食おうぜ、ステーキ」

「あんまり長居は出来ないかもしれないけど、折角日本に来たんだし、シャーロットが行きたい所があればそこにしません?」


 北海道は全国都道府県魅力度ナンバーワンの、観光地としてもいいところだけど、機会があれば他の地域を見てもいいと思う。


「神戸は観光地があるていど纏まっているからな。肉を中心にしようぜ」


 お肉は神戸牛が食べたい霞沙羅が奢ってくれるそうなので、後はシャーロットの希望の場所近くにお店を見つけておけばいいだろう。


 伽里奈(アリシア)も神戸に行くのは初めてなので、ちょっと楽しませて貰おう。

読んで頂きありがとうございます。

評価とか感想とかブックマークとかいただけましたら、私はもっと頑張れますので

よろしくお願いします。

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