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アシルステラの新たな障害 -3-

場面により主人公名の表示が変わります

  地球      :伽里奈

  アシルステラ :アリシア

「一体どうしたんだろ?」


 ヒルダの屋敷で料理中に呼び出しがかかったのでアリシアがやって来て、神殿の設備が関わっているから、念のためエリアスもやってきた。


「神殿の転移装置って、魔術師の空間転移魔法と違って、目的地を自由に設定出来ない代わりに、転移先が確定しているから安全なんだけどなー」


 この転移は使用出来ないながらもシステム的に神聖魔法を理解しているので、アリシアが転移装置に不備が無いか調べるけれど、特に故障や不具合といった問題は生じていなかった。


「向こう側のが悪いのかなー」

「お姉様、サイアンには帰ることは出来るでしょうか?」

「ボクもギランドルならもう転移は出来るけど、久しぶりだからサイアンに直には…、そこにいるエリアスの補助があれば行けると思います」

「そうですか、それは良かった。早く町のことをお父様に報告をしないと…。それに私が帰ってこないと心配されているかも」

「そうですねー。王女様も騎士の人もいるし、直接お城に行きます?」

「はい、それでお願いします」

「じゃあエリアス、位置の調整をおねがいね」

「解ったわ。王女様、サイアンのお城の正門前でいいかしら?」

「はい、それでお願いします」


 干渉があるかもしれないので、アリシアは転移装置から少し離れた所で転移魔術を展開する。


「霞沙羅も来て」


 突然エリアスが近くで見ていた霞沙羅の背中を押して転移に巻き込んだ。


「おいおい」


 と思う間もなく、霞沙羅も一緒に転移で王都サイアンの城の前に転移した。


 ちょっと遅れてエリアスも転移をして来た。


「おー、あれはまさにサラマンダー」


 転移をしてアリシアの目の前では、真っ赤な火を噴く大きなトカゲ5匹がサイアンの町を走り回っていた。


「ああ、サイアンの町がっ!」


町が猛火に包まれているというわけでは無いけれど、お城の門の前にある数軒の屋敷に火がついている。


「ど、どうしたのですか、これは」


 近くにいた兵士にプリシラは状況を確認した。


「プ、プリシラ様、先程サラマンダーが空から降ってきまして、現在対処中なのですが、なにぶん突然だったもので手の空いていた者が急ぎ対応しているところであります」


「プリシラ王女、ボクも何かやっていいでしょうか?」


 王女の依頼ではあるけれどザクスン王国に到着したところでこれだ。もう冒険者ではなくて、フラム王国の子爵の地位にあるアリシアが勝手に動いていいのか判断が難しい。


「すみません、お姉様の手を貸して頂けますでしょうか」

「じゃあ、「【氷結の棺】」


 魔法の射程内に5匹全部が入っていたので、サラマンダーを四角い氷に閉じ込めた。これで騒動はお終いだろう。


「怪我人がいれば私が直しますよ、王女様」


 エリアスがプリシラに言うと、ちょうど門の奥から出てこようとしていた騎士団に怪我人を集めるように命令した。


「じゃあ私は、堀の水を借りるぜ。【飽水の珠・粘」


 霞沙羅は堀の水をいくつかのサイズの粘り気のある塊にして、燃えている箇所にとりつかせた。


「水で空気を遮断したから、ただの火ならすぐに消えるだろ。後は適当に水をかけておけばいい」


 凍ったサラマンダーは氷の棺ごとバラバラに粉砕され、怪我人はすぐに集められ、エリアスが簡単に治療してしまい、とりあえずの騒動は鎮圧出来た。


「もー、なんなんだろ、これ」


 訳もわからずサラマンダーを倒したけれど、これは何だったのだろうか。


 突然空から落ちてきたと言っていたけれど、サラマンダーには翼がないので飛べない。となると誰かが運んできたのか? ワニくらいの大きさがあるのを5匹も運んできたら目立つような?


「これがサラマンダーか」


 霞沙羅はバラバラになったサラマンダーの亡骸を確認することにしてみた。まだ凍ったままだが、何となく気になって、頭部を見てみることにした。


「なんだろうな」


 サラマンダーの額部分に、何かパチンコ玉のようなモノが埋まっていて、第三の目のようになっていたので、持って来ていた変形型のステッキでつついてみると、外れて転がり落ちた。


「霞沙羅先生どうしたんです?」


 プリシラ王女は騎士達に指示をしているので、アリシアとエリアスは何かを発見した霞沙羅の所にやってきた。


「サラマンダーってのは額にこんなものがついてる生き物なのか?」

「こんなのついてませんよ、何だろ」

「それは、レラの目よ」

「レラの目って、魔族が魔獣に取り付ける道具かー。金属って初めて見たけど、エリアスが言うんなら間違いないねー」


 普通は植物の種のような形をしている。それの皮が開いて、中から種のようなモノが出てくるので、それが目のようにイメージになる。


 魔族はこれを植え付けて、自分の配下とするのだ。


「説明を聞くと気持ちわりいな。これは手放した方がいいか?」

「魔法の抵抗力が低い人じゃなければ大丈夫よ。まあアリシアの攻撃で停止してるけれど」

「レラは一応神様なので、種類としては魔術では無くて神聖魔法なんですよ。人間の間では神聖魔法と区別して漆黒魔法って呼んでますけどね」

「なら魔族とやらがいるのか? そいつらは普通にこの大地に住んでいる連中なのか?」

「ええと、普通にはいないので、重大事件発生です」

読んで頂きありがとうございます。

評価とか感想とかブックマークとかいただけましたら、私はもっと頑張れますので

よろしくお願いします。

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