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●終章 ~ 結果発表

調査後、今回の違反行為に関係した2名の処遇はというと、

トウリョは、採掘権のはく奪と禁固刑。

ガメツは、領主としての地位はく奪、王族としての特権もはく奪、そして禁固刑、となった。

王族だからといって、ガメツに対する処分も容赦はなかった。

その後の聴取の結果、やはりトウリョは石を横流ししていた先がガメツだと知らなかった、とのことだ。

きっかけは、ある日、石を横流しすれば、それを高値で買い取る、と持ち掛けてきた素性を隠した人物(これが結果ガメツだった)がいて、その甘い言葉にのって、石を横流ししていた、とのことだ。

ガメツはその石を他国に高値で売りさばいていたとのことだが、詳しい調査は今の継続中とのこと。


「ということで、カナタさん、お疲れさまでした。コネクトさんも大変感謝しておりましたよ。」

一週間後、オオトリはカナタの部屋を訪れ、その後の様子を報告してくれた。

「そ、それは何よりです。」

カナタはというと、まだ筋肉痛が取れず、生まれたての小鹿のような動きをしている。その中で絞り出すように言葉を発した。


「で、今後なのですが、また仕事の依頼が来ているのですが、ぜひお願いできますか?というよりお願いします。」

オオトリは深々と頭を下げてきた。

カナタは危険な目にはあったが、先日の仕事には大きな魅力とやりがいを感じていた。

なので、職探し中ということもあり、ぜひ入社したい、という気持ちに傾いていたが、どうも胡散臭い感じがぬぐい切れない。

なにより、オオトリにこちらから頭を下げることに、どうしても抵抗を感じていた。

それにカナタはオオトリに一つ聞きたいことがあった。


「オオトリさん、ひとつ質問なのですが、ガメツがコネクトさんに、国王に報告するな、と要求しましたよね。もしあの時コネクトさんがその要求をのんだらどうしました?」

カナタは前職でクビになったきっかけである、不正の告発を思い出してしまった。

「あー、あの時ですね。ハイ、その時は、カナガ王国との契約をこちらから打ち切ります。」

オオトリはあっけらかんと、即答した。

「でも、カナガ王国だと、きっと大口の契約先ですよね?」

「ええ、それでもそんなところとは今後取引しませんよ。わが社はクライアントよりも、社員優先ですから。」

オオトリの言葉に、思わずカナタはウルっときてしまった。

前職でつらい経験をしただけあって、オオトリの社員優先、という言葉は、カナタの心に刺さった。

今の言葉を聞いて、カナタの心は一気に入社に傾いた。

だが、何かが引っかかる。カナタの直感がそう言っているので、まだ「よろしくお願いします」という言葉がでてこない。


「あ、そうだ、これをカナタさんに渡しておかなければいけませんでした。」

オオトリは思い出したように一枚の書類を出してきた。

そこには、

『請求書』とあり、金額は1000万円と記載があった。


「何これ?」

カナタは全く身に覚えのない請求書とありえない請求額に対して、正直な感想を述べた。

「ん?請求書です。」

「なんの?あんたから、何か借りた覚えなんてないぞ。」

「いやだなー、とぼけちゃって。」

オオトリは手をヒラヒラさせて、カナタに回答した。

「強化タイツですよ。タ・イ・ツ。」

「は?」

カタナは思わず、間の抜けた返事をしてしまった。


「だって、ちゃんと着る前に、『借用!』って言ったじゃないですか。わたしからみたら貸与ですけどね。」

オオトリの説明にカナタは思わず頭を抱えた。

確かにオオトリに促されるまま、『借用』と叫んだのは事実だ。

このあと、どう理屈を並べて反論したらいいか考えているが、筋肉痛もあってか良い案が浮かばない。


「あれで、カナタさんの命は助かったもんですよねー。」

「強化タイツ、特別だから高いんですよねー。」

「あの弾丸もものともしない、性能はすごいでしょー。」

「これ仮契約だから料金かかりますけど、正契約だととりあえず無料ですけどねー。」

「今から契約すれば、さかのぼってとりあえず無料にすることできますけど、どーですかねー。」

頭を抱えてうずくまっているカナタに対して、オオトリは畳みかけるように言葉をかけてくる。


「・・・たよ。」

「え?なんですか?」

「・・・かったよ。」

「ん?よく聞こえないんですけど?」

「わかったよ!契約すればいいんだろ!!!!!!」

「ハイ、ありがとうございます。コンサルタント・オブ・ディファレンスワールドへようこそ。」

こうして、カナタの絶叫とオオトリの歓迎の言葉と共に、カナタの入社が正式に決まった。


改めまして、まゆずみかをる、と申します。

稚拙な小説ですが、今回もご覧いただきまして、誠にありがとうございました。


前作よりもお笑い要素を入れて、個人的には楽しく書けました。

続編はどうしようか検討中です。


この度は、お読みいただいたことを深く感謝いたします。

ありがとうございました

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