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第4章 幸せ②

「うっ……腹きっつ………」

「だらしないなぁ……」

スフレオムライスを食べ終えた坂野と春奈は次の目的地へとショッピングモールを進んでいた。春奈の「愛情を添えてじゃなくて注いで」という注文により、おばちゃん店員は通常の1.5倍くらいにごはんとパンケーキを盛って、愛情を表現してきたのだ。食べ盛りの高校生といえども満腹を通り越して吐きそうになるほどの量だったのだが、春奈は最後まで本当に美味しそうに食べていた。細い身体のどこにそんなに食べ物が入るのだろうか……。と思いつつ必死に完食した坂野だったが満腹の状態で歩くと、より苦しかった。しかし春奈は次に行く場所も決めていたみたいでどんどん進んでいく。


「ちょっ……待って……」

「もうはやくしてよー」

先程の店は地下一階にあったのだが、2人はエスカレーターをずんずん登っていく。

「次どこいくのさ…」

「ゲームセンター!!!」

エスカレーターで1列に並んでいたが春奈はまるで遊園地に初めて遊びに来た子供のように輝く目をして振り向いて言った。ゲームセンターなんて特に珍しいものじゃないと思うけど…と坂野は思い、

「ゲームセンターなんて春奈の高校の周りにも大きいとこたくさんあるじゃん。」

坂野の高校は山奥にあるが春奈の高校は札幌の繁華街であるすすきのの近くに位置している。

春奈はちっちっちっと指を左右に揺らし

「高校の周りのゲームセンターなんて制服で行けないからね。先生たちの見張りたくさんいるし。」

ああ、なるほど特に女子高だからそういう所には厳しいのかもしれないと思った。

エスカレーターで3階まで登るとゲームセンター特有のガヤガヤとした雑音が耳に入ってきた。


入って左手には100円入れて遊べるタイプのカードゲームがあり、右手にはプリクラが何台もあった。そこから奥に進むと沢山のクレーンゲームがあった。さらに奥に行くとメダルゲームや音ゲーがあったが、春奈のお目当てはクレーンゲームらしい。

「最近、クレーンゲームに絶対すみっコぐらしのぬいぐるみあるよねぇ。やっぱり丸っこいフォルムが可愛いんだよ。私はぺんぎん?が好きなんだけど裕太はどう思う?」

「やっぱりすみっコぐらしの魅力っていうのは、すみっこに追いやられてる子たちが身を寄せあっているところにあると思うんだよ。例えばアザラシみたいにぷくぷくしたカワイイ系の動物が群れになって身を寄せあってるのはやっぱりカワイイだろ?さらにデフォルメされてカワイイキャラクターが集まってるのはカワイイよな。もちろんぺんぎん?も好きだけど俺が一番好きなのはとかげ。なんでかって言うと、とかげは会えなくなったお母さんが大好きなんだよな。でも会えなくて時々泣いたりしてるところがカワイイんだよ。またもう一個言うとすれば…」

「もういぃ!!わかったわかった!!」

坂野はすみっコぐらしなど興味無いだろうと思いつつ話を振ったのだが、予想に反し坂野はすみっコぐらしが大好きだったようだ。話を途中で切られた坂野は不満そうな顔をしている。

「すみっコぐらし好きなんだね……」

「ぬいぐるみもたくさんもってるze。」

春奈としては意図しない展開ではあったが、坂野からは朝会った時のような硬さはとれていた

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