表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険者は今日もダンジョンを駆け抜ける  作者: 黒虎
第1部 ウロタロス
2/2

一章 はじめてのスキル

一章 「はじめてのスキル」


「すいませーん、カナンさんステータスの更新と魔法の換金お願いします!!」

「ん?」


ダンジョンを運営管理する「ギルド」の受付嬢、カナン・ラブリーは片手に持った書類から顔を上げた。


セミロングのブラウンの髪にパッチリとした目。美しいその容姿は誰もが認めるもの。細い体はギルドの制服である黒いスーツを見事に着こなしていた。


冒険者達がダンジョンに潜っている昼下がり受付嬢としてあまり仕事が無いカナンは自分の名前を呼ぶ声をすぐに察した。


(今日も生きて帰ってきたか・・・・・・)


カナンとレオンが出会ったのは既に半月前。冒険者になりたいと言いギルドに訪れたレオンの手続きを行ったのはカナンだった。手続きを行ったカナンはそのままレオンの担当になった。年齢は大体自分と同じだが初めての担当冒険者な為レオンの安否を確認したカナンは毎回のごとく頬を緩ませる。


「ステータスの更新と魔石の換金ね。取り敢えずステータスの更新をするからこっちに来て」

「はい」


カナンはレオンのステータス更新をする為にギルド本部に置かれているステータス更新エリアまで案内した。


ステータス更新エリアとは簡単に説明すると冒険者のステータスを数字や文字として表しそれを紙にコピーし冒険者に渡す場所だ。




「じゃ、ここに両手を置いて、そのままで居てね」

「分かりました」


俺はカノンさんの指示に従いステータス更新エリアの椅子に座り机の上に置かれている手形の石に両手を置いた。


ピピッ


数十秒後手形の石からそんな音が聞こえてきた。この音の正体はステータス更新完了という合図の音だと前にカノンさんが教えてくれた。


「はい、これが今回の君のステータスよ」

「ありがとうございます」


レオン・ワールド

Lv1


攻撃力G80→F109

防御力G95→F115

俊敏力G80→F150

持久力F180→E205

魔法F0→D306


<魔法属性>


<スキル>

【死神】・命の危機から生還すると経験値が3倍に増える。


【雷神】・雷の属性が発動する。雷の魔法が一切効かなくなる。


これが、現在のレオンのステータスだった。


「えっ、何この上がりよう?それに何かスキルと魔法属性まで発動してるし」


俺は自身のステータス表を渡されて驚いた。何時もの2倍以上はステータスが上がっており魔法属性やスキルまで発動している。


「それは、こっちのセリフよ。明らかにステータスの上がりようがおかしいわ。今日何のモンスターと戦ったの!?」

「いや、実は・・・・・・・・・」


俺は先程あった事をカノンさんに話した。

2階層から3階層に降りたこと。

3階層に足を踏み入れた途端にウロタロスに遭遇したこと。

3階層でカレン・リーラさんに助けられたこと。


俺の話を聞いていたカノンさんの表情は話が進むにつれ険しいものになっていった。


「───レオン君、どうして君は私との約束を守らないの!!君は冒険者になってまだ半月で経験も浅いそんな君がウロタロスを倒せたのは運が良かっただけ!!それに大きな期待を持っちゃダメって言ってるでしょう!!が


───「大きな期待を持つな」───


この言葉はカノンさんが俺に教えてくれた言葉だ。カノンさんいわくダンジョンには大きな期待は無くあるのは大きな不安だけだそうだ。特に俺みたいな新米冒険者は大きな期待を持ってダンジョンに潜りそれが大きな不安になって冒険者を辞めてしまう人達がいるらしい。


カノンさんが言う通り今回生きて帰れたのはただ俺が運が良かっただけだ。もしあの時カレンさんが助けに現れなかったら俺はウロタロスに殺されていただろう。


考えるだけでも恐ろしいことだ・・・・・・・・・


「今日のお説教はこの辺で終わりにして、魔石の換金をして行けば?一応ウロタロスとかの魔石を取っといたんでしょ?」

「はい、行ってきます」


俺はカノンさんに言われ魔石の換金所に足を運んだ。


換金した結果今日の稼ぎは3000ヴェリーだった。以外にウロタロスの魔石が高かったのだ。


「それじゃ、カノンさんまた」

「・・・・・・レオン君、次ダンジョンに潜る時は気を付けてね」

「はい、分かりました」


俺はカノンさんに声を掛けられギルドを後にした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ