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その一歩は未来の為に  作者: 花蝶水月/五月雨黛
凪の高校時代
7/9

西野圭吾 (生徒会長)side

お待たせしました!

クリスマス終わっちゃいましたね。

って事で冬の表記は出来ますが、クリスマスの表記を必死に消してからの投稿です!




 昼休み、空は曇り空気は冷たく吐けば白く舞い上がる息……そして少しばかり強い風、カイロもマフラーも着ていなければ10分程で全身が冷えるだろう寒さにも関わらず、教室の中は居ずらいとかそんな理由でカイロと弁当、参考書だけを持って外に出る物好きは、あいつだけだと思う。

 ほら、少し空気に当たっただけでもう手が冷たくなってしまった。

 いつも思うが、あいつよく風邪を引かないな……。

 そんな事を考えながら、俺はいつも何かから逃げる様にして体育館の裏に居たりどこか人の居なさそうな場所に居る、たまにわざと悪い事をする不器用な友人を探して体育館まで来ていた。

 そんな時に、視界の端に島崎が体育館の鍵を使って中に入って行くのが見えた。

そして、それを追いかける様に一人の女生徒が体育館に入って行った。


 え?何アレ?


 行き先は倉庫だったらしい。

 島崎は……先生に頼まれて普通に備品整理でもしているのだろう。

 問題は後から付いて行った女生徒だ。

 好きなのは分からないでも無いが、あの動きは少し怪しいぞ……。


見ちゃいけない物見ちゃった気分にさせられるんだけど……。


「な……凪君、私何か手伝おうか?」

「ありがとうございます

 でも大丈夫ですよ、体育の設備品はどれも重いですから」

「あ、でも……」

「手伝ってくださろうとした、それだけで充分ですよ」

「あ、はい……」


 たまたまとは言え、見てしまった事に変わりはない。

 後で島崎に声をかけるか。






 体育館から女生徒が出てきた後、俺は島崎が体育館から出たタイミングを図って声をかけた。


「島崎」

「あ、会長お疲れ様です」

「いや、そうじゃなくて……さっきたまたま見てしまったんだがな……」

「さっき?」

「女の子が手伝うっていってんのに、無下に断ってたところだよ」

「無下にって……ただ女の子には備品の移動とかは重いかと」

「そーじゃねーよ……

 お前アレだ、鈍ちん(鈍感)だな」

「に、にぶ…?」

「なぁ、お前がいつも話す幼馴染み(水乃ちゃん)、居たよな?」

「は、はい…ん?

 いつも?」

「もしその幼馴染みが体育館の備品整備してたら、お前何て声かけるよ?」

「それは勿論手伝うと……」

「何で手伝う?」

「それは……放っておけないというか…」

「……まぁいいや

 じゃあもしその幼馴染み(水乃ちゃん)が、凪には大変だからー……って断ったら?」

「それは……」

「嬉しいか?」

「……で、でも力の差はどうしても男女では……」

「そーいう事じゃねーんだよ

 あぁもう……」

「?」

「……何でもねぇ

 それよか放課後は会議だから生徒会室に来いよ」

「は、はい!」

「本当、見ててもどかしいわお前……」

「え?」


 なんでもないと、そう言って島崎と別れ、俺は当初の目的である友人を探しに、校舎内を歩き出す。

 全く、冬になるとイベントが多くて困る。

 校内が色めきだってしょうがない。

 まぁ、それが許されるのも二年までだが……。

 それにしても、あいつのせいで見回りも兼ねた感じになってるな。

 室内であいつが居るかもしれない所は……

 俺は冷たくなった両手を擦り合わせて口元に持っていき、息を当てた。

 手は悴み(かじかみ)、指先が赤くなっていた。

 …………これだから寒いのは苦手なんだ。




いつもご愛読ありがとうございます。

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