やみ/0
・・・あれ?
「ちょま・・ここどこ?」
気が付いたら、私は「闇」にいた。
闇って何って聞かれてもこれ以外に説明のしようがない、一面の闇。
因みに私、浮いてる。おかしい。ってゆうか・・・無重力?
まるで深海を漂うようで、実際はただ酔っているだけのような感覚。
とりま気持ち悪い。
「・・・・」
小さい脳みそ振り絞って考えてみたけど、やっぱ無理。意味わかんない。
「これ・・・水中?光ないし・・でもそれだとおかしいな・・私泳げな・・・・」
そこまで独り言一人で言って気づく。
私って泳いだことあるっけ・・・?
「そりゃ、この年になって泳いだことがないなんてあり得ないけ・・・ど・・・」
そして再び気づいた。まず、泳ぐ機会が必ずあるであろう、小学校の頃の記憶がない。
もっと言うと、その先の中学生の記憶も、高校生の記憶・・・・そもそも私って何歳だっけ?高校入ってたっけ?
これは重症だ。テンプレ的に頬つねったけど景色は変わらない。うんテンプレ。個性なさすぎでしょこのシュチュエーション。
とりあえず叫んでみるか。
「おぉーーーーーーい!」
「やほーーー!」
「超絶美少女の・・・」
この後、〔私の名前〕+〔だぞ!キラッ☆〕って言いたかったけど、名前忘れてる。とうとう自己を失ったか。というかこうなったのは何かの事故に巻き込まれたからだろうか。イミワカンネ。
いい加減頭がスクランブル交差点並にごちゃごちゃになってきた。
どうしよ・・・いやいや落ち着け私。まずは状況整理だ。
まず、私は意味のわからない闇の空間にいる。空間内で私は浮いていて、一応移動もできる。
そして、光はないであろうはずなのに、自分の手とか足とかはハッキリ見える。まるで、世界が黒く塗りつぶされたようだ。
そして次。私には、自分の記憶がない。
しかし、私自身の記憶はないが、言葉は分かるし単語もわかる。あ、でも今の世の中のニュースとかはわかんない。「SNS」がどういうものかは分かるが、具体的なサービスの名前が出てこない感じ。
まぁまとめてみるとこんな感じか・・・どうしようもないな、こりゃ。
「うーん・・・・」
約2.4秒間のシンキングタイムの末、ひとまず考えても分かんないから寝る事にした。
さっきのテンプレ的な流れからすると、一回寝れば夢オチで終わるというまたしてもテンプレ的な事が起きるのではなかろうか。うん。きっとそうだ。夢にきまってる。
とりあえず、そんな事考えながら私は目を瞑った。
[××××:15%]