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3 精霊のルーナ
女のような外見に長めの髪。料理や裁縫が得意。そんな小学六年生、古川葵はいじめを受けていた。
とうとう卒業の日。交通事故で車にひかれた葵が、最後に考えたことは(生まれ変わったら女の子に‼)
という気持ちだった。
異世界に住むアオイは、突然前世の記憶が戻った。
布団を深くかぶって、再び眠りについた私。ふと、目覚めるとコンコンと音が鳴っている。
窓を見ると、精霊のルーナだ。実はこの子、私の使役する精霊……と言いたいところだけれど、そうじゃない。顔立ちが美しく整い、知識も豊富。母さんの使役する精霊だ。ルーナなら、私に前世の記憶が戻ったことについて、何かいいアドバイスをくれるかも。そう思ったけれど、心配そうにこっちを見るルーナと目が合った。もうちょっと先でいいかな……。ルーナに大丈夫だよとうなずく。でも、もう寝る気はしない。
ちょっと起きよう。