沈めた気持ち
ゆら、ゆら、ゆら……。
深い、深い海の奥に気持ちを沈めるの。
ひっそり誰にも見つからないように。
私でさえ気づかないように。
この気持ちに鍵をかけるの。
大事に大事にしまっておくよ。
あなたへの恋心。
パールのように輝いていたわ、最初だけね。
気付いたの。
あなたの視線。
あの子を追っているあなたの視線に。
あの子が動くたび、すいすいとあなたの目が動く。
淀んでいくの、私の恋心。
やめて……。
私の気持ちを汚さないで。
だから私は鍵をかけるの。
かちゃり。
ばいばい、私の恋心。