11 そして――――。
まさかの展開で気を失ってしまうなんて、今から思えば不覚すぎた――――。
僕の代わりに、僕がいた世界に向かった人のこと。
ポポリさん、ミシルさんのこと。
そして僕の一年間の仕事のこと。
全てがあっという間に準備されていて、僕はその敷かれたレールに乗るしか選択肢は残っていなかった。
◆ ◇ ◆
【〝雪かきさん〟業務日誌】
特別地区のひっそりとした場所にある戸建て。いやロッヂ風というべきだろうか。
それが僕にあてがわれた生活スペース。
特別地区に依頼されてきた雪かきをしてほしい、という場所の通達をここで待つ。
以前出会った雪かきさんの風体。黒マントをすっぽり被って目元部分しか覗かせていないアラビアン風ではない。なので本当に自分が雪かきさんになったのか実感できていない。
いつ呼び出されるのだろう。
そして僕はいつこの家から出られるのだろう。
外へ続く扉を開けても透明な壁にすぐぶつかって出ることができない。怖い。
急に一人に……。取り残されたような思いにかられる。
ミシルさんもいない。
ポポリさんもいない。
いるのはミシルさんの置き土産。フォックス1号とかいう狐の形をした喋る動物。
本当にやっていけるのだろうか?
そして僕の代わりに行ってくれたあの子。お別れも、なにかの言葉かけもできなく、とても歯がゆい。……彼女は大丈夫だろうか。
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そこまで書いて晃は鉛筆を置いた。
ここへ移り住んで二日目。鳴らなかった扉がノックされたからだ。
「さぁさ、ご主人さまお仕事ですよ!」
体を丸めて温かい光が降り注ぐ窓際にいたフォックス1号が体を起こし、晃の肩へスルスルと登った。
「そうだね。色々わからないことが多いけれど、よろしく頼む」
肩にちょこんと四つ足を乗せるフッォクス1号の顎をこちょこちょと撫でた。そしてスッっと息を吸い込み、ドアノブに手をかけた。
うららかな日差しのなか、真紅のマントを翻して晃と一匹(?)は外へ踏み出した――――。
拙い文章力で、読みづらい点もあったと思いますが、ここまで読んでいただき感謝申し上げます。
そしてあれと、あれと、あれのお話の回収はどうしたんだ? と思われるかもしれません。いずれ別の形で補完したいと思っています。その日まで――――。




