そしてその“少女”は
リィン=アイレリオとレディアス=ドレイクが巨大な“山”と死闘を繰り広げていた時、 その少女は別のものへと興味を示していた。
そして、 この巨大な“山”がリィンによって切り裂かれたときにその『興味』を示した“物”が現れた。
「ぐっ……く、そッ……あの人間!! なんて『魔法』使いやがるんだ!! 山を二つに切り裂くことができるなんて聞いてないぞ!!」
それは“山”を『操っていた』Bランクの魔物で、小さい悪魔のような形をしていた。
この魔物、本来なら“山”など操ることができない。
「王から授かったこの力……ッ、 これさえあればまだ何度でも復活できる!!」
だから、
その魔物は油断していた、 『あいつらは“山”が本体だと思っている、 このまま逃げてしまえばバレることはない』、 そう思っていた。
しかし、
―ガシッ。
誰かに、 捕まれた。
そして、 その魔物は“誰か”を見ることなく、
「あ゛、が?ら???げッ…」
頭の中に『何か』を流し込まれるのを感じながら、 自我を、 崩壊させていく。
その“誰か”は魔物の体を踏みつけて、 地面に埋め込んだ。
「ごめんね、 でも、“ 邪魔”だからさ」
その表情は何を思っているのか読み取れない、 なにも感じていないのかもしれない。
そして……その“少女”は仲間の元へと戻って行く。