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現代日本における二丁拳銃の使い道(仮)  作者: 西城 一
第一章
1/3

プロローグ


ーーーーードォォォォン


 辺りから何度も何度も何かが爆発する爆音が耳に響く。

 その音につられて今までの閉じられていた目を開く、見えた光景は今まで生きていた平凡で平穏で特に代わり映え無かったけどそれなりに友人達と駄弁ったりするだけで楽しくて・・・ そんな生活とは真逆といっていいほど、とてもじゃないが信じられないことが現在進行形で起こっていた。


 建物は軒並み崩れ火を上げている。僕の目に一台の消防車が目に入った。消防士の人たちは一生懸命火を消そうと頑張っているが端から見ても焼け石に水なのは一目瞭然で、回りにいる人も誰も気にもとめない。


ーーーーーーーーギャァァァァ!


 理由は単純だ。逃げるのに必死で、自分の事だけで、精一杯だからだ。


 多数の背はそれほどまで高くはないがボロそうながらも剣を所持して振り回している体の皮膚が緑色 ーーーきっと、ゴブリンと言うやつだろう。先程から残虐という名の殺戮を繰り返している。


 また一人、また一人、自分の目の前で血しぶきを上げて人が死んでいく。それなのに何の感情も湧いてこない。まるで映画のワンシーンでも見ているかのような、自分だけがどこかに取り残されている。


 そしてようやく、膝を地に着けボーゼンとしていた己の手に抱き抱えられていた一人の少女に気づいた。


 少女の顔は酷く青白くなって、何より腹部から大量の血が流れている。

 彼女の綺麗な深紅の長い髪もどこかの汚れていつもの艶を失っている。

 まるでどこかのバトルアニメのヒロインが着ていそうな、白をベースにひどくこった赤色の刻印や模様のデザインの革鎧は、それこそ彼女の髪の色のような血で深紅に染まっている。


 ーー凄くキレイな人だ・・・

こんな状況だというのに俺はのんびりとそんなことを思っていた。


 腕の中の何処の誰だか分からない少女は自分を一心に見つめながら今にも消えそうな笑顔で、震える手を自分の顔にそっと添えて


唯月(いつき)、ばいばいー」


 彼女の手が力を無くして地面に垂れる。


 ーーー彼女は俺のことを知っている?


 そして俺の視界はブラックアウトした。













「・・・・・・夢か」

 

 目を開けるといつもの見慣れた自分の部屋の天井が映った。

 

 ーーーーそれにしても今の夢は一体・・・


 夢にしてはどこか妙にリアル過ぎて、起きた今のこの状態でさえあれが夢だったなんてどこか信じきれずにいる。


「それにあの少女は・・・」


 少女とはいっても、年齢は自分とはそう変わらないと思う、もしかしたら年上の可能性も棄てきれない。


 加えてあの少女の顔、最近どこかで見た気がして四方がない。もう、喉の寸前のところまで出てきているのいうのにその少しが果てしなく遠い。


 それからしばらく頭をうんうんと、働かせていたが結局出てこずに頭を掻きむしる。

 一度、大きく息を吐き出して脱力して


「着替えて、学校にいくか」


 

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