第1話
初めての投稿なので駄文ですがよろしくお願いします。
第1話
○月×日
今日、俺は犬を拾った。
その犬は騒がしく俺の静かな日常は崩れていった。その記念日やら厄日やらよくわからないこの日から。
俺は日記を書き始めようと思う。これからの日々を忘れないように。
――――――― 薬師の日記より
「なんじゃこりゃあああああ?」
朝の静かな町の中に俺の声が響き渡る。その声に驚いたのか周りの家からドタバタと音が聞こえてくる。
しかし俺はそんなことには目もくれず、ただただ目の前の状況に唖然としていた。
「いや、ほんとになんだよこいつは…」
途方に暮れた声は澄んだ空気に溶けていった。
「なんじゃ、アクス。お前さんついに殺っちまったのか?」
後ろから不名誉なことを言われた。振り返るとそこには隣に住む八百屋のジジイがいた。
「人聞きの悪いこと言うんじゃねえよ!俺は薬師だぞ。人殺しなんてするわけねえだろうが。」
そう、目の前にはうつ伏せで倒れた人の姿があったのだ。体の輪郭からおそらく女性、しかも少女だと思われる。
その頭の上には犬耳、お尻には尻尾が生えている犬の獣人だった。
「誤解されたくなきゃその目つきの悪さをどうにかせい」
「こちとら生まれたときからこの目つきで育ったんだよ。今更治せるかってん…」
「…………いたい」
俺とオヤジとでギャーギャーと騒いでいるとか細い声が聞こえた。
「………痛いよぉ…」
その声が聞こえたのか俺もジジイも口を噤んだ。どうやらその声は倒れている獣人の少女から発せられているようだ。
「おなかが痛いよぉ…」
その瞬間、俺の頭の中でカチリと音がした。普段の自分ではなく、薬師としての自分に切り替わる。
倒れている少女の近くにしゃがみ込み、少女を仰向けにさせた。少女の顔は汗だくで青ざめていた。唇も紫色になっていて
何かしらの病気にかかっていることがわかった。
「おいジジイ!一緒にこの子をうちまで運んでくれ!」
「おいおい、いきなりどうした…」
「いいから早く!」
「お、おう。とりあえず運べばいいんだな」
ジジイと二人でうちまで少女を運びベットに寝かせた。
「おい、嬢ちゃん。しっかりしろ!どこがどう痛いか教えてくれ」
「おなかが痛いです…」
少女は呻くように答えた。腹か…。それを聞くと薬が置いてある倉庫に走る。
(腹痛に効くやつはどれだったか…)
薬棚を探す。いつもはすぐに見つけられる薬がなかなか見つけられない。
(これだ!)
ようやく見つけたその薬を手にベッドまで戻る。
「嬢ちゃん、薬持ってきたぞ!飲めるか?」
「はい…飲めますぅ」
少女は薬を受け取ってそれを飲んだ。
「はふぅぅぅぅ…」
「どうだ?痛みは治まったか?」
「はいっ!」
「おお、そりゃあよかった」
痛みが治まったのかまぶしいほどの笑顔をこちらに向けてきた。
「あれ?そういえば、ここはどこでしょう?」
「ここはしがない街の薬屋さ。嬢ちゃんはうちの前に倒れてたんだ」
「見つけたときは驚いたぞい。薬屋が何かやったのかと思ったわい」
「なんだまたいやがったのかこのくそジジイめ。さっさと根城へ帰りやがれ」
「なんじゃせっかく手伝ってやったのにその態度は。とはいえ早く帰らんとおっかさんにどやされちまう。」
「あの〜」
「「なんだ(じゃ)?」」
いきなり口を挟んできたジジイに帰宅勧告をしていると少女が話しかけてきた。
「あなたたちは誰ですか?」
「俺は薬師だ。ここの店主をやってる」
「わしはこの店の隣で八百屋をやっとる。名はグルトじゃ」
「んで、嬢ちゃんはなんでうちの前で倒れてたんだ?」
挨拶ついでに一番気になっていたことを聞く。
「それが詳しくは覚えてないんです。昨晩、急におなかが痛くなりましてじっとしていると
耐えられなそうだったんで街を歩いていたんです。」
「そんで痛みに耐えられなくなって倒れたのがちょうどうちの前だったってことか。まったく心臓に悪いぜ。」
「すみませんでした。」
シュンと犬耳を伏せる少女の頭にポンと手をのせた
「ふえ!?」
「まあ、しょうがないことだ気にするな」
じっとこちらを見る少女に俺は照れくさくなってそっぽを向いた。にしても、撫で心地いいなこいつ
ナデナデモフモフナデナデモフモフ
「ふええええええ…」
「おっとすまねえ、思わず撫でちまった」
「なんじゃお前さん、変態だったのか…」
「うるせえよジジイ。いいから帰りやがれ」
しょうがないのう…ジジイはそうつぶやきつつ自分の店に帰って行った。
「あ、あの…」
ジジイを見送っていると少女が何か言いたそうにしていた。
「ああ、今日はここで安静にしてな。薬を飲んだとはいえ治ったかどうかはわからんからな。」
「いえ、そうではなく…」
「え?」
「助けてくれてありがとうございましたっ。お礼に何か手伝わせてください!」
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