第3話 忍者
「ハハハ!みんな、おはよう!今日はいい天気だな。訓練にはもってこいの日だ。お日様も俺に微笑んでいるみたいだ。もしかして俺は、本当に選ばれしひよこなのか?」
過去三ヶ月、クスマは村で意気揚々としていた!
彼は自身の能力を覚醒させただけでなく、隕石からも生き延びたのだ。
まるで物語の英雄のようだったが、ファンはもっぱらクソガキばかりだった……。
クスマは過去三ヶ月、必死に能力の練習を続けてきた。
しかし、
彼の最初の覚醒能力『硬化』の熟練度は、ほんの少ししか上がらなかった……。
覚醒したばかりの頃、クスマは自分の能力を試したことがある。
最初に彼が『硬化』能力を使った時、三回に一回しか成功しなかった 。
しかも『硬化』は十秒しか持続せず、具現化した植物だけに適用できた 。
つまり、
彼が植物を具現化させてから投げ放つまで、躊躇できる時間はわずか十秒。
十秒経つと、具現化したもやしは柔らかくなり、暗器から食料に変わってしまうのだ……。
今では『硬化』能力の熟練度は少しだけ上がり、
三回のうち二回は成功するようになった!
さらに、三十秒間持続できるようになったが、
相変わらず自身が具現化した植物にしか使えない。
「まあ、良い方に考えよう。俺のもやしクナイが、飛んでる途中で食料に変わることはもうない……」
「食料といえば、毎朝毎朝、粟粥ばっかりだ。
美味しいんだけど、たまには違うものも食べたいな」
「まあ、嫌なことは今は忘れよう。いつか俺は強いひよこになるんだ!
世界中を旅して、各地の美食を食べ尽くす。
なぜなら俺は特別だからだ!俺には『神々』の知識がある!!」
クスマは自信満々だ。
なぜなら過去三ヶ月の間に、
彼は脳内の青い点が、時々、青い惑星の知識の断片を伝えてくることに気づいたのだ。
そして彼は発見した。
自分の感情が高ぶるほど 、青い点が伝える知識の断片はより鮮明になることを。
彼はこれが『神々』からの贈り物に違いないと思った。
青い惑星こそ『神々の住む星』に違いない 。
でなければ、聞いたこともない知識がたくさん伝わってくるはずがない。
クスマは考えれば考えるほど嬉しくなり、
両手を腰に当て、自信満々に言った。
「俺の『硬化』の熟練度はまだ低いが、俺はもう強い忍者と言えるだろう」
「なぜかって?この三ヶ月で、たくさんの忍者のポーズをマスターしたからだ。あれはきっと神々の戦う時の構えに違いない!でなければ、あんなにカッコいいはずがない!そうだ、確かピンク色で角の丸い四角いカメラのアイコンの中で見たんだ。虫眼鏡が付いてて、その上には #忍者コスプレ って書いてあった……おお!俺の記憶力はなんて素晴らしいんだ!我ながら感心するぜ!ハハハハハ!!」
……。
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