プロローグ:起床
記憶喪失×冒険×成長といったものです。
ぜひ読んでってください。
目が覚めたとき、俺は知らない草原に寝転がっていた。
名前も、昨日のことも思い出せない。
……いや、違う。
思い出せないのは「記憶」だけで、頭の中には知らない場所の知識だけがある。
ここではない、どこかの場所の記憶。
「は……? 俺、誰だっけ……?」
頭はガンガンに痛み、視界はかすむ。
遠くには、小さな町のような影が見える。
歩けば一時間もかからない距離だろう。
わけも分からないまま、俺はふらふらと町を目指した。
腹は減っているし、金もなければ身分証もない。
もしかすると、怪しまれて即逮捕とかあるんじゃないか?
そう思った矢先、門番らしき男に止められた。
「身元を証明できるものはあるか?」
……ないに決まってんだろ。俺が一番知りたいんだわそれ。
門番は無言で、手のひらサイズの濁った水晶を取り出した。
「俺の言うことを復唱しろ。
『自分は一連の事件とは無関係だ』とな」
……うそ発見器かよ。
とりあえず言われたとおりに復唱する。
「……嘘はついてないようだな。ようこそ、サウジアへ」
よかった。初日で犯罪者コースは回避らしい。
読んでくださってありがとうございます。
感想等々、お待ちしております
ここで設定を語るのもなんですが、補足させていただきます。
主人公は異世界にいますが、別の場所『現代』の知識も持っています
ただ、それがどこで得たのかも本人はわかっていません。
そのため、『異世界』という概念自体を認識していません。