9話
シグ「エマさんはバイク経験者だったですか?」
エマ「うん、普段からバイク乗っているから」
シグ「だからバイクね…現実とは違うんですか?」
エマ「うーん…少しだけ違うけどそこまで変わりはしないかな」
シグ「ずいぶん飛ばしてますね」
エマ「実際にこんな速度で走ったら事故るけど、ゲームの中だからね」
シグ「なるほど…」
エマ「それじゃもう少し飛ばすよ!」
―
シグ「ゲェ…」
エマ「あれ?どうしたの?」
シグ「ちょっと目が…」
エマ「ゲームなのに酔っちゃってどうするの?」
シグ「車よりずっと早くて…」
エマ「本番はもっと早いからね?」
シグ「ええ…」
―
エマ「準備はいい?」
シグ「なるようにしかなりませんから」
エマ「それじゃアイテムよろしく!」
シグ「任せてください!」
エマ「それじゃ飛ばしていくよ!」
―
赤い信号から緑に変わる瞬間けたたましい音が耳を劈く。
エマ「いくよ!」
体にどんどん強い圧力が加わっていくように感じる。
思わずエマの腰に手を回してしまう。
エマ「振り落とされないようにね!」
車体をギリギリに傾け、カーブを曲がる。
怪我はしないものの、膝が擦りむきそうでついつい内股になってしまう。
エマ「アイテムよろしく!」
出てきたアイテムはネット網。後ろには放出し、相手を絡めとる。
また、飛んできたロケットなどを防げる。
現在は3位。取っておくには勿体無い。
すぐ後についてきているカップルに打ちつける。
シグ「よし」