8話
ついに自分の番が回ってきた。
鼓動で何も聞こえなくなる。
車に乗り込む。車に乗っているは自分だけのようだ。
他の9人はバイク。
ランク的にはみんな一緒くらいだ。
赤いランプが点る。
2・1…
『スタート!』
アクセルを思いっきり踏み込む。
バイクの方がスピードが早いため、追い抜かれる。
バイクを早く抜かそうと躍起になってしまう。
アイテムを使い、攻撃を仕掛けるが、みんな避けるのが上手い。
ミラー越しでも避けられる、
一位はもうすでに見えていない。
最下位の争いになっている。
8位と9位と10位。
8位と9位のバイクは壊れ始めている。
これはチャンスかもしれない。
バイクに車をぶつけ、壁と挟みクラッシュさせる。
すまんと心で謝りながらも次のバイクを潰していく。
これで8位以下になることはない。
そのまま走り続ける。
―
なんとか5位にまで辿り着いた。ランクは一つだけ上がった。
一位には一週差をつけられそうになり、壁クラッシュをしようとしたが、無理だった。
どうやらアイテムの攻撃は可能でも、直接的な攻撃はできないようだった。
顔は見られないから怒られることはないだろうが、少し悲しい気持ちになった。
6位以下はランクが下がるみたいだ。
レースは1日一回だけ。
次やるには明日以降となる。
バイクの練習でもしようかなと思いながら弄っていると、エマがログインしていることに気づく。
どうやらこちらに向かってきているようだ。
エマ「カーレース?面白そうね」
シグ「それじゃ…ペアで乗ってみる?」
エマ「いいね。やってみよう」




