7話
一つ目の明かりが点る。
ベルトが締められる。
二つ目の明かりが点る。
エンジンが鼓動する。
三つ目の明かりが点る。
いざ行かん!
最初のレースは簡単なものだ。楕円形のコースを3周するだけ。
最初のコーナーをドリフトしながら曲がる。
加速をして前に躍り出る。
直線素直に走れる。
そしてアイテム。ロケットで加速する。
加速したままドリフトをする。
ついてきている人は二人。背後に着かれている。
2周目のコーナーわざと遠目に曲がる。
そうすると背後についてきた一台が抜いていく。
後ろからの妨害を避けながらもしっかり背後につく。
ミサイルやマシンガンを避けつつ、ロケットを持ち続ける。
最後の3周目、いきなり前の車が加速する。
それに追いつくように余していたロケットを使い加速し、コーナーを曲がる。ピッタリ背後につくと急加速をする。
そのまま追い抜き、無事ゴールする。
心臓はバクバクしている。
無事走り切れたものの、これはただの練習だ。
他の人相手ならもっとアイテムで攻撃されていただろう。
なかなかやりごたえがある。
一コースを走るだけでこの疲労感。
本番は5レースだ。
行けるだろうか?いや、やってみるだけの価値はありそうだ。
本番のエントリーをする。
―
本番は10分後。
何事にも本番は緊張する。
本来のレースでは死ぬ可能性がある。
それをいとも簡単に体験できるのもこのゲームの良さか。
本番が始まるまで座って待つ頃ができず、今走っている人たちのレースを見る。
どのレースも手に汗握る走りだ。




