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Viper Knights  作者: ねむねずみ
2/2

1話

 ご飯を食べて、お風呂に入り、あとは寝るだけの状態まで終わらせた私は、ログインして改めて街を見渡した。

 見渡してわかることは様々な人が居ることと、文明が良くファンタジーの題材になる中世ヨーロッパくらいのレベルのものであること。

 街を歩く人はプレイヤーの証であるアイコンが浮かぶ人が多いが、ちゃんとNPCも歩いている。プレイヤーは本当に色々な人が居て、特に多いのは犬耳をつけた人だ。

 さっき掲示板というのを見た限り、バランスの良い犬種族は安定性に優れていて、とても人気らしい。掲示板を除いて一番珍しかったのはドラゴンで、相当強いらしいがそれでも犬のほうがいいという人が大半だった。そこには見た目って要素も入ってくるようだ。

 逆に少ないのは蜥蜴種族。蜥蜴種族は所謂タンクに優れた種族なのだが、魔法に弱すぎるという事で役割を担うはずのタンクを出来ないことで不人気らしい。

 本当にポツポツとしかいないから、相当だ。このゲームは始まって既に2日立っているが、蜥蜴種族はパーティー拒否されるレベルの不遇らしく、リワークをする人も少なくないとか。


 こう見ると外見が大きく変わっている人が多い。私もそうなのかな?メニューを開いて鏡の機能を使う。

 ふむ、私の外見は元の外見より大きくは変わってないね。腕はスキルがあるし鱗と鋭利な爪、指先にある極小の分泌孔という薬を薬腺から外へ出すところ、あとは舌が長細くなり体の至る所に鱗が生えたくらい。

 まぁ、とりあえず一回外に出てみようかな。珍しい種族はそれだけで妬みの対象になり、トラブルが起きかねない。私みたいな蛇の種族が多めなのが救いだ。街では蛇の種族かぁちょっと珍しいなぁ、くらいみたいだしね。


 街の外に出るには門に向かわなければ行けないので、門へメニューのマップを確認しながら歩いていると、蜥蜴種族の十代中盤くらいの女の子がパーティー募集をしていた。けど誰も組んであげる気は無いようだ。

 その女の子はオレンジの毛をパッチリとした大きな茶色の瞳を少し潤わせて声を上げていた。たまに女の子の可愛さにつられそうな男がいたが、蜥蜴種族と分かるとはけていく。

 はぁ、妹たちと同年代くらいの子をほうっておけないのは私の悪い癖だ。どうせ暇だし、夜更かしにならない程度なら別に構わないか。


「ねぇ、君。パーティーメンバーを探してるんだろう?」

「へ?く、組んでくれるんですか!?と、蜥蜴種族ですけど大丈夫ですか?今日始めた初心者さんですよね?蜥蜴種族はタンクをする種族なんですけど、魔法に弱すぎるんですけどそれでも大丈夫ですか?」


 凄いしっかりした子だ。初心者を騙してパーティーを組むことも出来るだろうに、しっかりデメリットを提示する辺り真面目なんだろう。なおさら蜥蜴種族というだけで組めないのは可哀想だ。


「構わない。私はアンズ。蛇の種族だから敵に毒を与えたり出来るし、鍛えてるから戦いの心得もある。」

「私はカナデです。蜥蜴が好きで蜥蜴種族を選んだら、この状況だったので、もう少しで蜥蜴種族を諦めてたかもしれません。好きなものを続けれたのはアンズさんのおかげです。ありがとうございます。」

「いいよ。妹達と歳が近いから放っておけなくてね。」

「妹さんがいるんですね!私にもお兄ちゃんがいます!」

「そっか。だったら余計に妹ぽかったのかもねぇ。」

「そうかもですね!あ、そろそろ行きましょうか。」

「そうだね。」


 少し話し込んでしまったので、門の方へと歩いていきつつ色々な事を教えてもらう。カナデちゃんのお兄さんはベータテスターで、その影響で詳しいらしい。

 この最初の町スタトゥーニから外に出ると、平原が広がるフィールドに東西南北で異なるエリアが広がっている。この平原は遠吠えの平原と呼ばれている。

 それぞれのエリアは、東が森、西が洞窟、南が山で、北が湿地。それぞれのエリアの先が次の街への道になっている。

 東西南北の順で敵が強くなり、森と洞窟も平原でのレベル上げをすると確実という難易度らしい。


「平原が遠吠えの平原と呼ばれているのは、狼系の敵が多いのと、フィールドボスがキングウルフっていう狼系の魔物を率いるボスの象徴だからですね。」

「へぇ。本当によく知っているんだね。」

「はい!お兄ちゃんが教えてくれたんですけど、アンズさんとの会話のネタになってくれて有り難いです!」

「ふふ、お兄さんもまさか話のネタになってるとは思っていないかもしれないね。」

「あ!門につきましたね!」


 門につくと、門がすでに開いているので気にせず外へ出て行く。外に出ると、そこそこの数のプレイヤーが右往左往をしている。角の生えた猪に追いかけられている物や、蹴りを繰り出す兎に吹き飛ばされてる者もいる。


「このゲームは魔物が居て、その魔物が発生した原因を探るのがストーリーなんですよ。この第一の街ではストーリーに関係することはほとんどないですけど、次の街ではギルドや騎士団といった組織なども出てきて、ストーリーが進んでくんですよ。」

「そうなんだね。それにしても、人が多い」

「そうですね!ちょっと奥まで行ってみましょうか?」

「そうしよう。あんまり邪魔もしたくないしね。」


 そうして、平原の東側にどんどん進んで行く。その途中で魔物に負けて光の粒子となって消えるプレイヤーを目撃したのだが、そのプレイヤーは街の中ではなく、外でリスポーンするそうだ。確かに、いきなり出てきたら驚くだろうしね。


「あ、そういえばパーティーをちゃんと組んでませんでしたね!メニューからフレンドっていう所を選択して、私に申請してくれませんか?」

「あぁ、これかな?」


 メニューのフレンドの項目から、申請を選択して目の前のカナデちゃんに向かって送る。これで申請できたはず。


「あ、来ました!認証したので、パーティー申請します!」


 《プレイヤー『カナデ』からパーティー申請が届いた》


 視界に出てきた文字を認証すると、カナデちゃんの名前が白色から青色に変わる。多分、パーティーを組むと見やすいように色が変わるんだろうね。


「これでパーティーを組めましたね!パーティーを組んでると経験値が共有されるんですよ。ドロップアイテムも別々でインベントリに入るので、取り分とかはないんです。」

「なるほど〜。結構色々考えられてるんだね。」

「そうですね、他のゲームで分配で喧嘩が起きたとかもよく聞いたので、良いシステムだと思います。合意の上なら物を交換したり、それこそ売買できますからね。」

「このゲームの通貨の単位はエンだっけ?」

「はい。制作会社が日本の会社なので、そうですね。」


 はぇ~、勉強になるなぁ。そんな話をしてるうちに段々と人が減ってきたかな。さっきまでと違って戦ってる音とか悲鳴とかも聞こえなくなってきたし。


「このあたりで良さそうですね、ちょうどあそこに一角猪も居ますし、あれを倒してみましょうか。」

「うん。そうしようか。」


 一角猪というのはさっきもいた角の生えた猪で、正式名称はホーンボア。遠吠えの平原では兎の次に戦うくらいの弱い魔物で、基本的には突進で角を刺すということしかしてくることはないらしい。


「私がヘイト集めますね。っと!」


 カナデちゃんが一角猪に蹴りを入れて怒らせて、ヘイトを集める。そのおかげで私は簡単に後ろをとれたので、最初に支給されてるスキルにあった武器、私の場合は短剣を使って首を刺す。

 多分、急所に当てるほうがダメージが多いだろうし。

 相手の頭の上には戦闘が始まったときから、緑色の三角が着いてて、それが黄色に変わった。これは相手のおおよその体力が表されていて、黄色は7割以下で緑が7割以上、赤が残り3割以下って感じで分けられている。

 その後は私にヘイトが移ったので、突進を引き付けて避けていくとカナデちゃんが片手剣で攻撃して、ヘイトが戻ってという感じで被弾することなく倒すことができた。

 倒れた一角猪は光の粒子になって消え、インベントリには一角猪の角と皮が入った。きちんとドロップしたアイテムは視界の端の方にログが出て知らせてくれるみたい。


「一角猪くらい、二人なら余裕そうですね。」

「まぁ、そんなに強くないんだもんね?」

「はい。蹴りを放ってくる兎のキックバニーよりは強いですけど、基本的にはザコ敵って感じです!キックバニーは最初敵対してないので一撃で倒すこともできるのもあって最弱と言われてますけど、兎のキックの方が避けにくいですね。」

「だからさっき吹き飛ばされてる人も居たのか。」

「そうですね、物理的な防御が弱い種族の人だと吹き飛ばされたりもするかもですね。そんな威力無い筈ですけど、衝撃自体は強いので。」

「そうなんだ。噂をすれば兎がいるけど、狩ってみる?」

「兎は急所を狙えば一撃で倒せると思うので、アンズさんがやってみてください。私は昨日やったので。」


 お言葉に甘えて兎に静かに近づいて、後ろから首を斬る。すると、また光の粒子になって消えて素材を落として、私の身体が少し光るとレベルアップのログが出た。いきなり体が光ったから何かと思ったわ。


「レベルアップが上がったみたい。」

「おぉ!おめでとうございます!他のプレイヤーからは見えませんけど、身体が光ってお知らせしてくれるんですよ〜。びっくりしました?」

「ふふ、少しね。」

「アンズさんって、クールな雰囲気ですけど可愛いですね!私も最初びっくりしました!さてと、もうちょっとこの辺で個体レベルやスキルレベル上げと、身体の慣らしをしてから狼系の魔物の居る場所に行ってみますか?」

「そうだね、相手の強さが物足りないくらいだけど、慣らしておいて損はないから、もうちょっとやろう。」


 ここで一時間ほどレベル上げや身体の慣らしをして、私の個体レベルが7、カナデちゃんが12になって場所の移動をし始めた。そして、もう二時間ほど休憩してないので休憩用の安全地帯に入って、二人共一旦小休憩を取るために、集合の時間を決めてログアウトした。

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