FFシリーズ ~雪の魔女の洞窟~ その1
FFシリーズの第9巻は、I・リビングストン氏作の『雪の魔女の洞窟』です。原題は『Caverns of the Snow Witch』。そのまんまです。
舞台はアランシア大陸の最北部、氷指山脈。名前からして寒そうですけれど、寒いです。めちゃくちゃ寒いです。
設定集『タイタン』(社会思想社版)を開いてみれば、最初の方のページでちょっとだけ触れられていました。それによれば、『雪男や亜人種』の住む『人間に見捨てられた場所』とのこと。
確かに寒そうですし、人が住むにはちょっと難しい土地でしょうね。この地に危険をおかしてまで踏み込むのは、『毛皮を求める一握りの人間くらい』と書かれていました。毛皮というと、雪男でしょうかね? それとも狼さん? どっちもかな?
そんな土地にある『水晶の洞窟』の奥に住まうのは、『雪の魔女シャリーラ』。『FFシリーズ』初の女性の悪役です。私が覚えている限りでは、ひょっとしたら唯一の女性の悪役だったのではと思います。
昔の戦隊もので言えば、『ヘドリアン女王』みたいなポジション。今の若い子たちは知らんでしょうけど、このキャラクターがもっとも記憶に残っています(わかるのはアラフィフ世代だろうな)。
今の時代だったら女性の悪役も若くて美人さんだったり、アニメだったら意外とキュートに描かれていたりと、視聴者受けが良いキャラクターに変貌しました。
さて表紙を開いてすぐの「はじめに」では、シャリーラについて触れられていました。
彼女がたくらむのは、何と世界征服! この展開、『バルサスの要塞』でもありました。みなさん世界征服、好きですね~。実際に世界征服を成し遂げたとしても、それを維持するのって、滅茶苦茶大変だと思います。
わかりやすく例えるなら、チャンピオンベルトを奪ったものの、どこまで防衛戦で勝ち続けられるかになります。
単なる地方の支配者が、その何千倍何万倍、いやそれ以上に広い世界を支配するなんて、どれだけストレスの溜まることか。手持ちの戦力、絶対に足りないだろっ!?
そうつっこみたくなるのですが、この雪の魔女であるシャリーラお姉さん、新たな氷河期をもたらし、それによって世界を支配する計画でした。
中々知略的ですね? どうやって氷河期にするのかは、ちょっとわかりませんけれど、そこは難しく考えちゃいけません。子供たちの夢を壊すことなく、なんか、すごい危機が迫っているのだということを伝えておけばいいのです。
それだけで、冒険に出ようとする少年少女はワクワクしました。




