【閑話休題 ~設定資料集 モンスター事典(概要編) その1】
さて、前回までは『タイタン』について、自由に語りました。
今回はそれと双璧をなす『モンスター事典』(社会思想社・消費税導入前880円)についてのお話になります。こちらの資料集は『タイタン』よりも早く出版されましたし、私が小学6年生の頃には既に持っていましたから(1986年10月30日付けの初版発行の記載あり)、ゲームブックのブームに乗っかって、比較的早く日本語版が発売されたみたいです。
これは『ソーサリー』と『FF』で登場したモンスターをイラスト入りで細かく紹介し、それぞれの技術点と体力点を表記したものでした。使用されていたイラストは主に『FF』に登場したものでしたが、他社にも関わらず『ソーサリー』で使用されたものや、どれにも当てはまらないもの(書下ろしか?)も多数盛り込まれていました。
タイトルに『事典』とうたうだけあって、内容もかなり濃厚に作られています。
もしも冒険ファンタジーの世界に登場するキャラクターであれば、眼鏡をかけた学者肌の人物が手にしているような一冊。いわば『タイタン』の世界における『シートン動物記』的な学術書なのです。
当時、人間以外の種族は一緒くたに『モンスター』とされていました。エルフもドワーフも、ゴブリンもオークも、みんな仲良く『モンスター』扱いです。日本語訳は『怪物』です。
今では『魔族』という表現が定着しましたね。最初に誰が使ったかはわかりませんが、一般的になったのは黎明期の冒険ファンタジー小説、確か『スレイヤーズ!』でも使われていたと思います。
確かに昭和時代では、まだ他に該当する言葉はありませんでした。せいぜい『妖怪』ですけれど、それも何だか違うかな・・・? あと、『怪人』か。
この『モンスター事典』には、主に欧州の伝説などから取り入れられたものの他、恐らくオリジナルがあったと思われます。実際に当時の『D&D』にもこうした資料があり、そこでも絶対にオリジナルと思えるモンスターが、多々掲載されていました。
やはりオリジナルを加えなければ、キャラクターとして足りないのでしょう。
あくまでも参考資料ではありますが、書いている内容はかなりしっかりとしていまして、読み物としても中々のものでした。
エルフなど現在は『森エルフ』しか登場していませんが、ここでは他に『闇エルフ』、『山エルフ』、『黒エルフ』が紹介されています。『闇エルフ』は『ダークエルフ』として登場した作品もありますが、今のライトノベルやコミックなどで登場する『エルフ』は、『森エルフ』のことです。
他の種族は知られていないかも知れません。




