【閑話休題 ~設定資料集 タイタン(概要編) その2】
現在、社会思想社版の『タイタン』はもちろん絶版です。古書店などで見つけたら、是非コレクションとしても手に入れて欲しい貴重な一冊ですが、だいぶ高くなっているだろうと思われます。
ですが2018年に別の出版社から再発売されています。随分と修正されているようですし、大きさの仕様も変わっているようです。私は未確認なので中身はわかりませんが、興味のあるかたは手に取ってみて欲しいと思います。
この『タイタン』の世界。現在、ライトノベルなどで描かれる日本人向け『剣と魔法の冒険ファンタジー』系の世界とは、大きく異なっているはずです。
今のこうした世界しか知らない若い世代の人たちだったら、それこそホラーみたいな違和感を感じるかも知れません。でも、日本に初めてこうした文化が入り込んだ時のイメージは、まさにこの『タイタン』の世界そのものでした。
何ともおどろどろしい世界なのです。でも、子供ながらそれがとても格好良く感じて、自分も強くなって、こうした世界を冒険してみたいと思っていました。
当時の『D&D』や『T&T』(現在発販売されている日本版とはだいぶ違う)にしても、邪悪・混沌の勢力が圧倒的に支配していて、対する善の勢力というのは正直弱者側の部類に位置づけられていました。人間など大それた能力なんてありませんでしたし、むしろ全種族の中でも最下層にいるような位置づけでしたね。
ライトノベルでは当たり前になった『無双』なんて、それに比べれば単なる茶番です(別にけなす意味じゃないので誤解なく)。
言うなれば、この『タイタン』の世界は人間たちにとってとげとげしく、忌まわしい世界なのです。人間こそが混沌の生贄になると、そんな感じでした。それが逆に心を躍らせてくれるんです。
『指輪物語』も、比較的そっちよりだと思います。そもそも、『指輪物語』の世界が全ての異世界ファンタジーの原点になり、こうしたTRPGやゲームブックなどが生まれていったわけですから。




