【閑話休題 ~設定資料集 タイタン(概要編) その1】
ネタがちょっと詰まっていて、お休みをいただいていたのですけれど、カクヨム時代に用意しておいた話のファイルが見つかりました。社会思想社版の『タイタン』と『モンスター事典』についてのお話です。
これらは載せることはないまま、カクヨム版『TRPG冒険狂時代』はとん挫してしまいました。
今回、閑話休題用として一部を修正し、載せることにしました。
私にとって、異世界ファンタジーの原点になったのはやはりゲームブック。それはエッセイにも登場しましたが、数ある作品の中でもやはり『ソーサリー・シリーズ』(以下、『ソーサリー』)と言えましょう。次いで、同じ世界観の『ファイティング・ファンタジー・シリーズ』(以下、『FF』)ですね。
リアルタイムに経験したかたがたも、同じような認識のかたは多いのではないでしょうか。
これまでも書いていますが、この『ソーサリー』は東京創元社から、『FF』は社会思想社(現在は存在しない)から発売されました。
また東京創元社からは『ファイティング・ファンタジー』というタイトルでTRPG本も発売されましたが、ここで混ぜるとややこしいので(ただしシステムは同じ)、こちらの方は『FF』とは別物と考えておきます(番外編って感じですね)。
これらのシリーズが当時大人気だった理由は、ストーリーがしっかりと組み立てられていたことに加えて、世界観がしっかりとしていたからでしょう。
そのどちらも『タイタン』という大きな世界の中に存在し、『ソーサリー』はカーカバード大陸(当初、ゲームブックに掲載された地図にはカクハバードと訳されていた)、『FF』はアランシア大陸およびクール大陸(ジャクソン氏・リビングストン氏以外の作者が書くときは、この舞台だったと思う)の二つが舞台となっていました。
設定集である『タイタン』(社会思想社・税込み880円。消費税3%)は『ウォーロック』などで既に紹介されていたと思いますが、実際に日本版が発売されたのはおそらく私が中学生のころ。奥付を見ると、『1990年1月30日発行』となっていますから、恐らく89年末に発売されたものと思います。
このころになると、残念ながらゲームブックのブームは去っていたと言わざるを得ません。そのころはまだ『ウォーロック』を読んでいましたけれど、ゲームブックからは遠ざかり、TRPGの方に気持ちは動いていました。
それでもこの『タイタン』は手に入れました。
表紙は城門にドラゴン、左から右に向かって攻め込んでいるような感じのものでした。
現在は再発売されていますが、当時の表紙とは左右が反転。現在のこれが正しい向きになります。
エッセイにも書いたと思いますが、本の開きがっての関係で、日本版は実際の向きとは逆になってしまいました。
この『タイタン』に書かれていたのは、この世界の細かい設定でした。
ゲームブックなどで登場したいわゆるボスキャラの詳細(生い立ちなどもあった)はもちろんですが、歴史、伝説、大陸やそこに存在する国々のこと、人間・エルフ・ドワーフ種族の詳細、妖魔種族の詳細、善の勢力と邪悪・混沌の勢力との対立図などなど、とにかくあらゆる設定がしっかりと書かれていているのです。
ここまで作りこむって中々ありませんし、それだけ大きなプロジェクトであったと伺い知れます。もはや社会科の教科書レベルです。
本編が438ページまで(あとがき除く)、事細かに書かれていますから、その内容の濃さが伺えます。




