FFシリーズ ~盗賊都市~ その6
前回まで、駆け足で『盗賊都市』について書いてきました。最後の話では、盛り込み切れなかった部分を書いていこうと思います。
恒例になってきました表紙の話。ポート・ブラックサンドをバックに死神のようなマサカリを持った不気味な骸骨がにらみを利かせています。これがザンバー・ボーンと推測できますが、実際に本編に登場する挿絵ともイコールでした。それもそのはず、表紙と挿絵の作者さんが一緒ですから、違うわけがありません。
このザンバー・ボーンは『闇の王者』で、挿絵から骸骨の容姿をしていることがわかりますけれど、細かい描写はありません。『ボーン』は『骨』の意味でしょうから、名前だけでも骸骨の容姿だと推測できますけれど、他は謎なのです。
当時(1990年版)の『タイタン』をめくっても、それらしい記事が見当たりません。悪魔なのか、人間が魔法で変異したのか、そうしたことも不明です。
ただ何となくアンデッド系じゃないかと、そんな印象は受けました。骸骨も手下で登場しましたし、場合によっては『あなた』は手下のゾンビにされてしまいます。
因みにこの『タイタン』にはニコデマスさんの経歴が書かれています。ただし当時の『タイタン』では『ニカデマス』となっています。どちらの呼び名が正しいのか、手元の資料だけではわかりませんが、あくまでも当時の『盗賊都市』の日本語訳を尊重し、今回の話では『ニコデマス』を採用しました。
アズール卿も悪者系のキャラですけれど、ザンバー・ボーンとは何の接点もありません。何かあるんじゃないかと思わせておいて、何もありませんでした。馬車で疾走して、消えていくだけという友情出演的なポジションで終わってしまいましたね。
このアズール卿も、その後のゲームブックで登場していないんじゃ? 少なくとも私が持っている分では見当たらなかったと思います。
今回の話を書くにあたって、サイコロこそ振らなかったものの、最初から最後まで、大雑把に流れに沿って読みました。三十数年ぶりでしょうね。
サイコロを振らずとも、小説的な読み物として楽しめました。
以上で『盗賊都市』の話はおしまいです。何とか書きあがってホッとしました。
次は『死のワナの地下迷宮』です。個人的には初期のゲームブックの中では、当時のお気に入りでした。純粋なダンジョン・アドベンチャーを楽しめる傑作です。




