FFシリーズ ~盗賊都市~ その3
ネタバレにならないように、『盗賊都市』の舞台となるポート・ブラックサンドのことを端的に紹介すると、危険に満ちた都市であることに変わりありません。ソーサリー・シリーズの『城塞都市カーレ』と同様の位置づけだろうと思います。
ただそれぞれの個性による違いは当然あるので、似ているわけではありません。ジャクソン版シティ・アドベンチャーと、リビングストン版シティ・アドベンチャーの違いを楽しむためにも、それぞれ手に取って欲しい(今なら再発版になるでしょうが)と思います。
さて今回のポート・ブラックサンドは、どの種族も共存している場所となります。人間もいれば、モンスター(いわゆる魔族とか亜人の類ですね)もいる。仲が良いかどうかはわかりませんけど、それなりに秩序が保たれている設定なのだろうと感じます。
それもそのはず。一応この都市はアズール卿と呼ばれる統治者がいることになっています。そこが『城塞都市カーレ』との違いなんじゃないかなと。確かあそこはいなかったと思います。
このアズール卿は、ゲームブック上では殆ど謎のまま終わってしまう(一応、馬車に乗って突っ走ってくる描写だけはあるが、結局現れない)のですが、『タイタン』ではどんな人物であるのか、『邪悪と混沌の代表者』の一人として、多少の人物像が紹介されています。そこではどんな容姿なのか、挿絵も登場していますが、盗賊のような覆面姿なので素顔はわかりません。
ただこの三十年、ポート・ブラックサンドを支配していることと、やたらと『許可証』マニアであることがわかります。『許可証』は何をしたいかによって(酒を飲みたい、寺院に入りたい、商売したい、都市を出たいなど)色々と種類がわかれていました。もちろん『許可証』は高額で、それでも手に入れないと、したいことが出来ません。
一種の税金搾取の手法なのだと考えれば、何となく理解できますが、それにしても面倒くさいことをする支配者なんだなと思いました。
この『タイタン』にはポート・ブラックサンドの地図が載っています。実際にその地図と整合性が取れているのかはわかりませんが、何となくイメージはつかめます。
上を北、下を南と考えると、南北を分断するようにナマズ川が都市の中を横断し、西側のへと流れ込んでいます。
東側にはアズール卿の宮殿があります。そこから河口に向かって街並みが構築されていますが、これ、きちんとした都市設計に基づいて地図が描かれているのではないでしょうか? しかも下水道まで完備!(海に垂れ流しでしょうけど) 少なくとも適当に描いたようにも思えません。
こうしたあまり目に触れない部分もしっかりと作り上げているから、FFシリーズは面白かったのだろうと今更ながら感じています。




