FFシリーズ ~盗賊都市~ その1
(前書き)
これまで紹介してきたゲームブック作品も含め、地名やキャラクター名は、当時のものを採用しています。
現在再発売されているものでは、若干読み方が変わっているものもあるかも知れませんが、そうだとしても当時の雰囲気を損ないたくないので、訂正は行いません。
あくまでも手元にある当時のものが正解として、話を進めていきます。
さてここからは再び本編に戻ります。以前予告をした通り、FFシリーズ第5巻として発売されました『盗賊都市』について、取り上げてみようと思います。
タイトルからしてシティ・アドベンチャーになることは予想済。同じタイプのゲームブックとしましては、スティーブ・ジャクソン氏の代表作、ソーサリー・シリーズの第2巻、『城塞都市カーレ』が思い浮かぶかと思います。
原題は『City of Thieves』。直訳すれば『盗賊たちの都市』ですから、そのまんまの日本語訳でしたね。
奥付を確認しますと『1985年10月20日 初版第1刷』とあり、私が持っているものは『1987年1月15日 第13刷』でした。辛うじてまだ小学生でしたが、買ったのは中学生になってからかも知れません。
この1985年は空前のゲームブック人気と、怒涛の日本語版発売ラッシュだったのでしょう。
ですが前回紹介した『運命の森』のときよりも更に増刷ペースは落ち込んでいます。
それに近いタイミングで日本語版『ウォーロック』が創刊(1986年12月と背表紙に表記されているが、実際は11月中頃に発売となっているはず)されましたから、ちょっと雲行きの怪しい船出だったのかも知れません。
ともあれ、『盗賊都市』を開いてみましょうか。
ここでいきなり登場する二つの街の名前!? 子供だった私はどっちがどっちなのか、混乱しました。要は状況説明である背景を殆ど読まずに、さっさと始めちゃったわけです。
取り敢えず、冒険の始まりについてポイントを整理しましょうかね。
・『君』は凄腕の冒険者で剣士。どこへ行ってもスター級の知名度で、既に『龍を退治した勇者』らしい実績があった。いきなりのドラゴン・スレイヤー設定っ!?
・商業都市シルバートンに到着。けど街の様子がおかしい。建物の窓には鉄格子がはめられ、人々はどこかよそよそしかった。
・夜になった途端、街の人々は大急ぎで建物へ隠れてしまう。『君』は居酒屋兼宿屋に入るが、誰も近寄って来ない。スターなのにっ!? でも仕方が無いから、ここに泊ることにする。
・『君』がこの街に来たことを聞きつけて、シルバートンの市長オウエン・カラリフが現れる。この街が大ピンチ! 『闇の王者』と呼ばれるザンバー・ボーンの使者が来て、愛娘ミレルを差し出せ(嫁にくれとは言っていない)と要求。断ったら以後、嫌がらせとして6匹のムーン・ドッグを差し向けて、夜な夜な人を食い殺していった。
・『君』に悪漢の巣窟ポート・ブラックサンド、いわゆる『盗賊都市』に行ってもらい、友人の魔法使いであるニコデマスを見つけ出し、ここに連れてきて欲しいと頼む。
・金貨30枚と見事な広刃の剣を貰って、レッツゴー!
取り敢えずこんな背景でした。それにしても依頼金額の金貨30枚って、相場なのか? 『運命の森』でもそうでしたけど、日本円にすると30万円くらいでしょうかね・・・。金貨1枚1万円ということで。
因みにこの宿、一泊が銅貨5枚で風呂代が別途銅貨1枚でした。随分安いな。この世界の物価、どうなっているんだ?
あとムーン・ドッグって、どんな犬なのか、その描写がありません。狂犬みたいな犬でしょうけれど、
当時発売されていた『モンスター事典』にも何も書いていませんでした。謎のワンちゃんです。