【閑話休題 ~30年目の『トロール牙峠戦争』を手にして その1~】
2022年も年末になり、何かと慌ただしくなっています。
そんなこともあって、この『TRPG冒険狂時代』も予定していました『盗賊都市』の話は、まだ最初を書いただけでストップ。
もうじき冬休みですので、そこで仕上げようと考えています。
冬休みの間は閑話休題として、秋ごろに購入した『トロール牙峠戦争』の話と、部屋の整理中に見つかった『冒険企画局様からのお手紙』の話を載せようと思います。
それぞれ2話ずつとなります。
以上、よろしくお願いいたします。
2022年末現在、FFシリーズやソーサリーシリーズなど、当時のゲームブック作品が現在の仕様で発売されています。若干邦題が変わっていたり、改めて翻訳し直されたり、再び世に出るようになりました。
またAFFの第2版や『GMウォーロック』など、新たな展開も見せています。
さすがに昭和末期ほどの話題性はないと思われますが、当時冒険に興じた現アラフィフ世代などを中心に、一定の人気を保っているのではないでしょうか?
当時に比べれば豪華な仕様になりましたので、値段が張るのは事実ですが、この年代であれば購入することも可能でしょう。さすがに小学生のお小遣いでは買えません。
もちろん興味はあるところなのですが、今のところ自分は触れないようにしています。こうして当時を振り返ってお話をさせていただいておりますが、現在のものに触れてしまうことで、あの頃の気持ちにおかしなイメージが上書きされてしまう怖さを感じているからです。
もしそうなってしまいますと、このエッセイもまた本来書きたいと思っていたものから、別の者に変わってしまうかも知れません。私はあくまでもあの当時のことを書きたいのです。
もし触れるとするならば、少なくとも当時のFFシリーズやソーサリーシリーズを振り返り終わってからになるでしょう。
ですが唯一の例外として、FF小説である『トロール牙峠戦争』だけは購入しました。
これは1991年頃、当時の『ウォーロック』にて予告がなされたものの、諸般の事情が重なり、そのまま日本版の発売が消滅してしまった作品でした。その辺りの経緯は、現行の本書あとがきに書かれていますので、興味のあるかたはそちらを参照してください。
それが30年後の2021年、突如沈黙を破って日本版が発売されました。これはたまたま通販サイトを覗いていた際に気付いたのですが、見つけた時はさすがに驚きました。
当時この小説の発売をとても楽しみにしていました。既にゲームブックへの興味は亡くなっていましたが、逆に流行り始めた冒険ファンタジー小説への興味が日増しに膨らんでいきました。
あの『タイタン』の世界観における冒険ファンタジー小説であれば、いったいどんな展開になるのだろう? そんなワクワクした気持ちにとらわれていたことを、今もよく覚えています。期待しかありませんでした。